男の腕時計/時計関連情報

「素材」から最新トレンドをチェック(2ページ目)

腕時計を構成する主要な要素は、内部機構のムーブメントと、それを包むケース、腕に固定するブレスレットやストラップ。こうした外装に伝統的な素材ばかりでなく、多彩な異素材を利用するのが最近のトレンドだ。

執筆者:菅原 茂

現代的なハイテク感を演出するチタン

ペルレ「チタニウム コレクション ダブルローター」
文字盤側にも自動巻きローターを備えるペルレ「チタニウム コレクション ダブルローター」。チタン・ケースと天然ラバー・ストラップの組み合わせで、驚くほど軽量。予価49万3500円(2007年8月発売予定/ユーロパッション)
強靱で軽く、腐食に強く、極端な温度に耐えるという優れた特性があり、その合金が航空、宇宙はもとより、自動車産業や日用品まで幅広く用いられているチタンは、腕時計の素材としても大いに脚光を浴びている。最近では、ハイグレード・チタンにポリッシュ仕上げを施し、独特のくすんだグレーとはまったく印象の異なるものまで登場してきた。

腕時計にチタンを利用する目的にはさまざまなものがある。第一に最近台頭著しいハイテク感を強調したデザインにまさにうってつけの素材ということ。またスポーツ・ウォッチなどのマッシブな大型ケースを軽量化できるという利点もある。さらに一歩進んで、外装ばかりでなく、ムーブメントの金属部品をチタンで置き換える試みすらある。

今年のペルレは、その名もずばり「チタン・コレクション」という新作を発表して、注目されている。チタンがダイナミックな造形の主役を演じ、独特の精悍な表情を際立たせている。これからもまだまだチタンがデザインの可能性を広げていきそうさだ。

異素材トレンドの先端をリードするセラミック

ウブロ「ビッグ・バン ルナロッサ」
ウブロの「ビッグ・バン ルナロッサ」は、セラミックの先端技術で作られた傑作。自動巻きクロノグラフ。世界1000本限定。145万9500円(ウブロジャパン)
このところ、時計素材のホットな話題といえば、セラミックをおいてほかにないだろう。ここでいうセラミックとは、金属酸化物の粉末を高熱で処理して成形したハイテク・セラミックスを指し、すでにさまざまな産業分野で広く用いられているものだ。強靱で軽く、腐食せず、熱に耐えるといった特性はチタンと共通するが、最大の相違は金属ではないという点だ。

ラドーやシャネルなど、ハイテク・セラミックスそのものを主役にした腕時計は以前からあるが、この素材をゴールド、ステンレススティール、チタン、ケブラー、ラバーといった多様な素材と複合的に用いて、画期的な異素材の美学を確立したのがウブロの「ビッグ・バン」である。その影響力は、この2年で他のブランドにも目に見えて波及しているのがわかるほど絶大だ。

新作の「ビッグ・バン ルナロッサ」は、黒づくめのオール・セラミック・ケースが特徴。鋭角的なエッジ加工やマットな仕上げなど、これまでのセラミックには見られなかった難度の高い技術が駆使されているのも見逃せない。


【問い合わせ先】
スウォッチ グループ ジャパン ロンジン事業部 TEL03-6254-7351
ジラール・ペルゴ TEL03-5211-1791
ユーロパッション TEL03-5295-0411
ウブロジャパン TEL03-3434-3002

※All Aboutマガジンの「For M」と「For F」にて、2007年バーゼル・ジュネーブの特集を掲載中です。時計ジャーナリズムの第一人者である「男の腕時計」ガイドの菅原 茂氏と「ジュエリー・時計」ガイドの本間恵子氏が最新の時計事情を解説した時計ファン注目の特集。こちらも合わせてご覧ください。
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