男の腕時計/スイスの老舗高級ブランド

時計の王道を行くパテック フィリップ(2ページ目)

前回のロレックスとならんで、バーゼルワールドの「顔」として、ブランドの存在感が際立っているパテック フィリップ。今年は、1920年代の優雅なトノー・ウォッチの復刻「クロノメトロ・ゴンドーロ」が話題。

執筆者:菅原 茂

熟成されたクラシックの味わい

パテック フィリップのクラシックの良さを堪能させる時計といえば、今年の「クロノメトロ・ゴンドーロ5098」をおいて他にない。

パテック フィリップ「クロノメトロ・ゴンドーロ5098」。
「クロノメトロ・ゴンドーロ5098」。プラチナ・ケース。手巻き。388万5000円

まず、ここに掲げた時計の写真を見て、どのような印象を受けるだろうか。時計にある程度親しんでいる人なら、「よく似たようなトノー・ウォッチならたくさんある」と気づくだろう。しかし、元祖はまさにこの時計にある。パテック フィリップの古典的な名作をそっくり真似たものに始まり、インスピレーションを受けてデザインされたものまで、実際に類似の時計は枚挙にいとまがないほどだ。

もともと「クロノメトロ・ゴンドーロ」は、約100年も前に南米市場向けに作られた伝説の時計コレクションである。最後のモデルが納入されたのが1927年。じつに80年の中断の後に今年復刻されたのが、今回の優雅なトノー・ケースによる腕時計。復刻にあたって、デザインのみならず、角型ムーブメントまでも当時のスタイルを再現するために新開発したという力の入れようだ。

これまでミュージアムでしか目にすることができなかったこの時計の発表は、パテック フィリップの偉大な遺産を再認識させるに十分だ。最近のトレンディなデザインにいささか食傷気味の時計ファンも多いだろう。シンプルな時計の良さを味わいたい人にもお勧めしたい逸品だ。

【問い合わせ先】
パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
TEL03-3255-8109


※2007年6月6日より、All Aboutマガジンの「For M」と「For F」で2007年バーゼル・ジュネーブの特集を掲載します。「男の腕時計」ガイドの菅原 茂氏と「ジュエリー・時計」ガイドの本間恵子氏が最新の時計事情を解説していきます。こちらも合わせてご覧ください。
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