第二時間帯表示付きモデル
次の参考例は、ロレックスの「エクスプローラーII」。ケースをはじめ、【ブレスレット】【ラグ】【リューズ】【リューズガード】【カバーガラス】【デイト表示】などの基本的構成要素は、「サブマリーナー」と同様である。ロレックスの「オイスター パーペチュアル デイト エクスプローラーII」。1971年に初モデル発表。ベゼルと24時間針で第二時間帯を表示するこのモデルも、後のいわゆる「GMT」時計に大きな影響を与えた。自動巻き、ステンレススティール、56万7000円 |
このモデルの場合、【第二時間帯】表示という、特別な機能を備えている。時間帯(タイムゾーン)とは、簡単にいうと、世界を経度15度ごとに分割したもので、それに応じて時差が生じる。たとえば、東京とロンドンがそれぞれ属す時間帯には、時差にして9時間のずれがある。つまり、日本でこの種の時計を使う場合、文字盤の針が示しているのは、日本の時刻、【第二時間帯】として表示されるのが、ロンドンのように、時差のある別地域の現地時刻である。逆に海外で使用する場合は、日本の現地時刻が【第二時間帯】として表示される仕組みだ。
「エクスプローラーII」では、このような別時刻の表示を、三角のポインターが付いた【第二時間帯針】と24時間の目盛りを刻んだ【第二時間帯ベゼルで】の組み合わせによって行う。
ちなみに、【第二時間帯】表示が、時計の世界で【GMT】とも呼ばれるのは、19世紀末に時間帯の起点が、経度0度にあたるロンドンのグリニッジ天文台に定められたことによる。つまり「グリニッジ標準時」を略したものが【GMT】。したがって、「基準になる都市の時刻と、別地域の都市の時刻までもが同時にわかる機能があります」といった意味を示す記号として用いられている。
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