クルマは燃費ではなく、走らせるためにある
スライディングルーフ機能も備える電動ソフトトップを採用。開閉時間は15秒で、時速30km/h以下なら走行時でも操作可能 |
そう、つまりはダウンサイジングの納得性が高まり、筋が良くなったのだ。頭では分かっているけどどうしてもできないことから、頭も心も納得できるものへとクルマのダウンサイジングが変化した。で、ミニもまたそういう存在であるということである。ただし、このクルマはハイブリッドなどという面倒くさい手段を使わずに、昔ながらのやり方、スタイリングと作り込みでやってのけた。
たとえば、二世代前のM・ベンツSクラスに乗っている人が、いきなりホンダフィットに乗り換えたとしよう。周りの評判もさることながら、自分が納得できていそうでできないんじゃないか。その点、プリウスだったりミニだったりすれば、周りの目も違うだろうしと思える自分がたやすく想像できてしまう。
それがコンバーチブルとなれば、尚更だ。ダウンサイジングに洒落まで加わった。実際、ボクは高級車に乗るのが好きだけれども、ミニコンバーチブルに乗っている間はけっこう幸せだったものだ。
プリウスよりいいな、と思うところがある。それは、運転して楽しいこと。それゆえ、ちょっとしたことでもクルマででかけてみようとするから、エコロジーの観点からいえば、ダメなクルマなのかも知れない。運転のつまらないプリウスの方が、輪をかけてエコだ。それは認める。
でも、こうも思うのだ。いつからボクらは燃費のためにクルマを運転しなきゃいけなくなったんだ?!
クルマは走らせるためにある。そして、運転はいつも楽しい。それがボクのクルマだ。エコとの関わり方は、ライフスタイル全てで、クルマに関して言えばバランスを心がける方でありたい。
最高出力175ps/最大トルク240Nmを発生する1.6リッター直噴ツインスクロールターボエンジンを搭載するクーパーS(写真)と、可変バルブ制御システムを採用した、最高出力120ps/最大トルク160Nmの1.6リッターNAエンジンを搭載するクーパーをラインナップ |
これからはコンバーチブルにとって辛い季節である。でも、屋根が開くという事実は、何だか心をウキウキさせた。たとえ暑い外の空気でも、それを感じながら走るという行為が、クルマに乗って積極的に前へと進むということを教えてくれるからに違いない。
またぞろ、オープンカーが欲しくなってきた。そんな想いに導いてくれるような強いコンセプトのクルマだからこそ、ハイブリッド全盛の時代にあっても高く支持されるのだと思う。
ステアリング前方にあるタコメーターの左横に備わるオールウェイズオープンタイマー(オプションで3万円)。これはエンジン動作中にオープン状態にしていた時間を表示する |