FIAT(フィアット)/フィアットの試乗レビュー・車種情報

クルマの楽しさを再認識するアバルト500(2ページ目)

フィアット500をベースにアバルトがチューンしたホットハッチ、アバルト500。運転する楽しさはどんな最新モデルにも負けません。サーキットで試乗し、様々なクルマの楽しさを改めて教えてもらいました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

低速域でも伝わるスポーツドライブよりの素質

アバルト500
ダッシュボードのスポーツスイッチを押すとオーバーブースト機能が作動、最大トルクが180Nmから206Nmに増大。ステアリングもよりダイレクトなフィールに

実際にサーキットを走り始めると、じわじわと楽しさが身にしみて来る。雨ゆえのスリルもさることながら、意外にバランスがよく状況の掴み易い走りに、だんだんと虜になってゆく。テクニック云々ではなく、手足が自然と動く感じ。踊りたくなるような音楽を聞いてダンスに興じるようなもんだ。

結局、10ラップ以上楽しんでしまった。じんわりと心地いい汗もかいた。雨の日でもこれほど楽しいのだから、ドライなら……。逆に言えば、これほどの悪コンディションでも楽しいという素質は、きっと街中をフツウに走っても伝わってくるはず。

アバルト500
駆動輪へのトルク伝達性能を向上させるTTC(トルク トランスファー コントロール)などの電子制御装備も多数採用される

ハンドルを切ったときのクルマ全体の揺れや動き。そこからの揺り返しや、姿勢の変化。手ごたえ。ギアチェンジの感触。加速フィールと音。ブレーキの際の突っ込み感。流れる景色とコクピットのコントラスト。ギャングみたいなクルマに乗っているという気分。その一つ一つが理由なく楽しいのだ。クルマとしての素質も、スポーツドライブよりになっていると思う。低速域でもそれがイキイキと伝わってくる。

クルマの楽しさって、いろいろある。500アバルトに乗って、そのことを改めて教えられた。早く、普段乗りしてみたい。

アバルト500
最高出力135ps/最大トルク180Nm(オーバーブースト時206Nm)を発生する1.4リッターターボエンジン
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