メルセデス・ベンツ/メルセデス・ベンツの車種情報・試乗レポート

本質を変えない“新スタンダード”Eクラス(2ページ目)

安全・快適・低燃費をコンセプトとした“セダンの新スタンダード”であり続ける、M・ベンツEクラス。その新型(W212)にスペインで試乗、驚くほどフラットで“安楽”そのものな走りを体感しました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

“安楽そのもの”な乗り味はCクラスと同じモダン路線

M・ベンツEクラス
走行状態に応じてダンピングを制御する新開発サスペンションや、電子制御ダンピングシステムと連動するエアサスペンションなどが用意される

実際に試乗した各グレードの印象をまとめておく。

E350CGIアバンギャルド AMGパッケージ(ローダウンに18インチ)は“ビシッと筋の通った一体感あるクルマ”だ。とにかく高速クルージングで風きり音がほとんどなく、驚くほどフラットなライド感だ。電子制御がすみずみに行き届いたためか、ステアリングフィールに微妙な違和感を覚えたが、全般的には“安楽”そのもの。日本を出る直前に乗った旧型W211の、まるでオカンに抱かれたようなまったりとした乗り味がとても懐かしく思えるほど、別物の乗り味。モダンで、明らかに現行Cクラスと同じ路線を感じる。

E250CGIには、以前のEクラスの雰囲気を少しだけ思い出させる大らかさがあった。ターボエンジンの実用パフォーマンスも十二分で、これならもう見栄を張ってV6になんか乗らなくていい。5ATとターボエンジンとの相性もよく、パワフルにさえ感じる。日常のアシとしてはベストバイ。誰にも、オススメ。

E350ブルーテック(尿素ディーゼル)とE500(日本ではE550)は、ともに分厚いトルクが迸り、強烈なパフォーマンスをみせた。ただし、継続的な力の強さとエンジンフィールでは、やはりガソリンV8に軍配が上がる。同じディーゼルでもE350CDIの方がパンチもあった。いずれにせよ、トルクは凄い。ちなみに、エアサスのE550では、さらにクルマをもうひとクラス、小さく感じさせる。

個人的には、AMGパッケージのアシまわりだけをノーマルスタイルに積んだ仕様(だって本物のE63AMGと並びたくないじゃない?!東京だとすぐ、並ぶハメになるし)が、どのエンジンバリエーションにも欲しいと思った。

M・ベンツEクラス
70個以上のパラメーターによりドライバーの運転への集中度を監視、眠気を検知する警告する眠気検知システム(アテンション・アシスト)も装備

M・ベンツEクラス
シートパッドは発泡材を増やし座り心地を向上させた。パッドデザインはベーシックモデルとアバンギャルドは縦向き、エレガンスは横向きとされる

ちなみに、写真に出てくるLEDデイタイムライトは法規の問題で日本には来ない。見た目に印象的なのに残念。同じ理由でクラシックフェイスの4灯式もだめ。日本用にはどうやら全く別デザインの2灯フォグランプ付になる模様。

5月末に発表される予定で、最初はE350のポートインジェクションとE250CGI、そしてE550、もしかしてE300。E63AMGもそのうちに。E350CGI、E350CDIは少し後。ブルーテックは未定だ。
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