オーストリアのロータックス社と共同開発した水冷DOHC4バルブ並列2気筒を、新開発のアルミフレームに搭載したF800ST。エンジン、シャシーともに新設計されたこのモデルにはさまざまな最新技術が取り入れられ、クセがなく馴染みやすい乗り心地を実現しました。軽量&コンパクトな車体で、女性でも扱いやすいというのも魅力。さっそく、このモデルの優れた機能をより詳しく見ていきましょう。
BMW独自の思想でポテンシャルを高める
驚くほどに違和感がない乗り味で、走りを楽しむことに専念させてくれるF800ST。その秘密は、BMW独自の思想で進化してきたパワーユニットにあります。水冷DOHC4バルブ並列2気筒を採用したエンジンにスイング運動するバランサーコンロッドを追加し、慣性質量バランスをとるシステムを導入。これによって、振動を最小限に抑えつつ滑らかなエンジンフィーリングを実現しました。
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ローシート仕様なので足着き性がよく、アップタイプのパイプハンドルによってリラックスしたポジションをキープできる |
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メンテナンスいらずで静粛性に貢献するコッグドベルトドライブ方式を採用 |
一方、シリンダーヘッドのデザインは現行のKシリーズを踏襲し、789ccという排気量から85psものパワーを発揮。また低重心化を図るためにドライサンプを採用していて、BMWのポリシーの一貫性を見て取ることができます。駆動方式をベルトドライブとしているのも、このブランドならではの個性といえるでしょう。
取り回し性とスポーツ性に優れるマルチパーパスツアラー
軽量でコンパクトな車体周りも、このモデルの大きな特徴といえます。重量の最適化を図ったアルミ製ツインスパーフレームに加え、クランクケース後ろに設けられたピボットレス構造の片持ち式スイングアームを採用。これらの装備により軽量化された車体は、取り回しがいいのはもちろんのこと、ワインディングでのスポーツライクな走りも十分楽しめます。
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ローシートの採用で体格の小さな日本人ライダーにも優れた足着き性を実現。座り心地はやや硬めだが、ラクなポジションに貢献している |
取り回しのよさについては、160cm以下のライダーや女性でも抜群の足着き性を発揮するローシート仕様もポイント。信号の多い街中でも、気軽に乗ることができます。
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