フェリーを使って旅情気分を高めよう
伊勢湾フェリーで海上を行く。体が休まるだけでなく、旅気分を高めてくれる |
鳥羽からは伊勢自動車道に乗り、勢和多気インターまで。それから42号線で新宮まで海沿いを走り、168号線で紀伊半島の中心部へ向かいます。目指す十津川村はもうすぐそこです。
もっと山懐深い道を走りたい人には、海沿いの道を離れるのがおすすめ。42号線沿いの尾鷹から425号線に移ります。ただ、ほぼ林道といっても良い、幅の細い道を4時間ほど走らなければならない上に、間髪入れずにヘアピンが続くので、これが楽しいと思えるやや上級者向けのルートといえます。途中で出会う渓流や滝などの前で、エンジンを止めて一服すると、心底生き返った気持ちになれます。
十津川村での走り方や楽しみ方
秘境と呼ぶに相応しい、濃い緑と豊富な水の世界が広がります |
その山懐の深さは半端ではなく、油断すると道に迷ってしまう可能性があります。地図上で見ると直線距離が10kmでも、実際に走ると曲がりくねった道なので走行距離は60kmなんていう例も珍しくはありません。必ず時間に余裕をみることです。
鹿肉の背中の部分の刺身。意外なほどさっぱりしている |
定番のアマゴの塩焼き。アツアツが、なんといっても旨い |
「十津川荘」の夕食はというと、静けさの中にかすかに聞こえるかじかの鳴き声や川面の音、そして時おり耳に届く鹿の声を聞きながら楽しむことができます。テーブルにはお約束の鹿の刺身にキジ鍋、そして塩焼きと天麩羅にされたアマゴなどの山の幸が並びます。
鹿肉はフランス料理などでも使われるので、都会でも稀に出会う食材ですが、この辺りではいつでも猟師さんから手に入る日常的なもの。その刺身の食感はさっぱりとしていて、この地ならではのものです。
食事と同じくらい楽しめるのが、気さくな旅館の人達との会話。この土地にはじつにゆったりとした時間が流れています。人の温もりが感じられるのが小さな旅館のいいところ。心をほどきに出かけるなら、小規模な店をインターネットなどで検索して、直接電話を掛けて相談するのが良い方法です。
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