純正システムは自然な音場感が魅力
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330i Hi-Lineはレザーシート、ウッドパネル装備の豪華仕様 |
330iに標準装備のオーディオは、総合180Wのパワーアンプを搭載した10スピーカーシステム。フロントスピーカーはドアミラーの付け根の内側に高域用のトゥイーターがあって、ドアに8~10cmクラスのミッドレンジ(中音域用)、シートの下に16cmクラスのウーファー(低音用)があるという構成だ。これでフロントが6スピーカー。残りの4個はリアに装着されている。普通の言い方をすれば、フロント3ウェイ+リア2ウェイの4スピーカーということだ。
僕は自分のクルマには市販システムを組み込んでいて、普段はそれで音楽を楽しんでいる。だからBMWのオーディオシステムの音は、解像度や質感などの点ではっきりいって物足りなかったりする。が、フロントウィンドウあたりに広がる音場の自然さ、整った音響特性はさすが純正。さりげなく気持ちよく、音楽が楽しめる。もし市販システムに替えたとしても、よっぽとうまく取り付け&調整しないと、このような自然な音場感が得られないかもしれない。
また一部の純正システムは、音量を上げるとドアの内張り等がビビってしまったり、音が割れたりするケースもある。が330iの純正システムは圧迫感を感じるほど音量を上げても、ドアの内張りがビビることなく、小音量時と変わらないバランスで音楽を聴ける。これはドアのスピーカーを小口径にして、内張りをビビらすような低音をドアで鳴らさないスピーカー構成によるものだろう。このビビりがないということだけでも、上質感が高まるというものだ。
よりいい音を楽しむならiTunesはデフォルトで使わない
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iTunesのMP3エンコーダはデフォルトで160bpsのビットレート |
実は試乗する際にアップルから拝借したiPodには、同じ曲で圧縮率を何パターンが変えたものをいれておいた。純正オーディオで聴いたときに、圧縮率の違いによる音の違いがわかるか確認したかったからだが、これがけっこう違う。とくにわかりやすいのが低音の引き締まり具合。ビットレートが低いとベースの音がぼやけた感じだが、ビットレートを上げるとベースがはっきり聞こえるようになる。だから音楽は全体的にノリがよく聞こえる。シンバルなんかの質感も明らかに違っていて、ビットレートが低いと響きがすぐに消えてしまうのだが、ビットレートを上げると、余韻が残る感じだ。
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カスタム設定で320bpsにビットレートを上げると音質も向上 |
だから、少しでもいい音で音楽を聴きたいなら、iTunesに音楽を読み込むときにビットレートを上げておくべきだ。理想は圧縮しないで読み込むWAV形式で保存しておくことだ。とはいっても、WAVで保存すると5分ほどの曲が約50MBほどになってしまうので、パソコンがすぐに音楽でいっぱいいっぱいになってしまうし、iPodにもそれほど曲数を入れられない。したがって低圧縮のMP3で保存しておくのが妥当なところだろう。iTunesのMP3エンコーダはデフォルトがビットレート160kbpsだから、カスタム設定でビットレートを320kbpsまで上げておく。これでもデフォルト時の音よりずいぶんと低域の締まり具合や中高域の質感が上がる。
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BMW3シリーズ用のトレードインスピーカーは数少ない。これはボストンアコースティックスのE90専用サウンドアップグレードキット(54,390円) |
約1時間ほどクルマを乗り回していたら、iDriveコントローラーの操作にも慣れてきた。さすがにプレイリストを選び直したりなどの操作は走りながらではできないが、曲を飛ばす、もう一度聞き直すなどの操作や音量調整はステアリングに装備されたスイッチでできるから快適。乗り心地もスムーズで、このまま乗って帰りたいくらいだ。もし、このクルマを手に入れたら、スピーカーくらいは交換したいよな、でもインテリアはいじりたくないから、替えるとしてもトレードインだよな。どこのトレードインスピーカーがいいかな、などと考えているうちにハタと気づいた。そういえば、借り物なんだよな、このクルマ。
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