美しい響き、アルファ ロメオ
アルファ ロメオ。声に出しても美しい響き。 撮影:松本明彦 |
アルファ ロメオ。なんという美しい響きだろう。フランス、ダラック社の組み立てのためのイタリアーナ・ダラック社を、ミラノの投資家が買収して、スタートしたのがロンバルディア自動車製造会社(Anonima Lombarda Fabbrica Automobil=A.L.F.A.)。その後実業家ニコラ・ロメオがアルファ社を買収し、社名はアルファ ロメオになる。
会社創立から1年後の1911年、アルファ ロメオは早くもレースに挑戦する。そしてタルガ・フローリオ、グランプリ、ミッレ・ミリア等で輝かしい勝利を次々と収め、アルファ ロメオの名声は確固たるものになる。第二次世界大戦前までのアルファ ロメオは、高品質・高性能のスーパースポーツカーを少量生産するメーカーであった。
へッドカバーの「GTA 3.2 V6」の赤い文字や、マニホールドのメッキも美しいエンジン。 撮影:松本明彦 |
ちなみに1920年代、エンツォ・フェラーリはアルファ ロメオのレーシングドライバーであった。そして1929年レーシングチーム「スクーデリア・フェラーリ」を創立。1932年にはアルファ ロメオのワークスチームになるが、その後エンツォはモデナに行き、アルファ ロメオとの関係は途絶えることになる。
赤いボディカラーは、まさしくアルファ ロメオ。 撮影:松本明彦 |
「私は自分の母親を殺してしまったのだ」。1951年7月14日イギリスGPで、フェラーリがアルファ ロメオに勝利した時のエンツォの言葉だ。赤いボディカラーと言えば、今ではフェラーリを思い出す人も多いが、そのルーツはアルファ ロメオとも言えるのだ。