WRカーのベース車として開発したものだけに、走りを楽しめるクルマ
フォード・フォーカスSTの試乗会に参加しました。会場となった、阿見飛行場はかつてクルマ雑誌の取材に良く使われた場所ですが、最近はあまり使われることがなくなっていました。飛行場の滑走路は多少の傾斜がありますが、広くてフラットなので発進加速やダブルレーンチェンジ、パイロンスラロームなどを試すことができるように特設コースが設定されていました。
フォーカスSTは従来のモデルでもST170の名前でスポーツモデルが設定されていましたが、新型車に切り替わったのに合わせて新型のSTが登場してきました。標準車が自然吸気の2.0Lエンジンを搭載するのに対し、直列5気筒の2.5Lターボを搭載しています。直列5気筒といえば、ちょっと詳しい人ならすぐにピンとくると思いますが、ボルボのエンジンです。
そもそもフォーカスはボルボV50/S40やマツダ・アクセラとプラットホームを共用する関係にありますから、ボルボのエンジンを搭載するのも当然といった感じです。このエンジンをさらにST専用にチューンしているほか、サスペンション、ブレーキ、タイヤ、ステアリングなどもST専用のものが用意されます。
前日の試乗車がZ4のMロードスターだったもので、それに比べるとSTもやや迫力不足といった印象にならざるを得ませんが、標準のフォーカス2.0と乗り比べると違いは歴然。WRCラリーで連続してポイントをゲットしているフォードが、次期WRカーのベース車として開発したものだけに、走りを楽しめるクルマに仕上がっていました。