クルマが最も良く売れる3月になった。3月の下旬ともなると、何としても年度内に登録して今年度の売り上げや利益につなげたいとばかりに、大量の新車が登録される。新車はクルマを検査登録事務所に持ち込むことなく、書類だけで登録されるとはいえ、検査登録事務所の繁忙は大変なものになる。
それはともかく、メーカーやディーラーは年度内に、あるいは月内に登録したいと考えるが、これはユーザーにとっては極めて不利な扱いとなる。というのは、クルマ購入時に納税する自動車税には月割り制度が設けられていて、購入した翌月分から年度末までの分を負担することになるが、いずれの月に購入しても購入した(登録した)月の分は負担する必要がなく、翌月分からを負担することになっている。
月末の31日に登録したのでは、負担しなくても良い購入した月の分がたった1日で終わってしまうが、仮に4月1日に登録すれば、丸々30日分がタダになる計算だ。この月割り額は、1500cc車でも1ヵ月当たり2800円ほど、2000cc車なら3200円ほどになるのだから、これは無視できない金額だ。
ディーラーでは決算期に当たってメーカ-からの販売奨励金を得て経営上の数字を良くするために、その締め切り日である年度末までに何として登録しようとするのだが、これは全くもってしてユーザー不在の対応である。月末に登録するくらいなら、1日登録して欲しいと強く主張しよう。それでも年度末(ふだんの月の月末でも同じこと)に登録したいというのなら、ユーザーが負担する1ヵ月分の自動車税月割り額相当のサービスをしてもらわないと計算が合わない。ガソリン満タンなどを対抗条件に上げると良いだろう。
なお、軽自動車税は税額が安く、乗用車でも年間7200円でしかない。このため月割り制度が設けられておらず、購入した年度分は丸々タダになる。翌年度分から負担すれば良いワケで、これを3月に届け出(軽自動車は登録ではなく届け出になる)したのでは、4月になってから届け出するのと7200円の差がつく計算だ。軽自動車こそ、商談は3月に進めても、届け出をするのは4月になってからにしてもらおう。
正確には、4月1日現在の所有者に対して当該年度分が課税されるので、4月2日届け出してもらうのが良い。それを3月中にというのなら、燃料タンクの小さい軽自動車の場合にはガソリン満タンでは足りない。もっと大きな代替サービスを獲得しよう。
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