初代プリウスが世界初のハイブリッドカーとして発売されてから約6年。大きな進化を遂げた2代目プリウスが発売された。ボディはひと回り大きくなったほか、4ドアセダンから5ドアハッチバックに変わって使い勝手が向上した。またハイブリッドシステムの電圧を上げてパワーアップを図り、単なるエコカーではなく運転の楽しいクルマに仕上げたのが注目されるところ。もちろん環境性能も35.5km/Lの燃費が示すように、世界最高水準に達している。
そんな新型プリウスだが、ベースグレードであるSの価格は215万円と、初代プリウスに比べて3万円も引き下げられている。これはちょっとした驚きである。これはトヨタがプリウスを本気で売ろうとしている姿勢の表れだろう。今回のモデルはアメリカとヨーロッパでも販売されるが、アメリカでの価格は従来と同じ19995ドルに設定されたという。
上級グレードのGの価格は241万円で、26万円高い設定。これはS-VSCのほか、インダッシュ6連奏CDチェンジャー、クルーズコントロール、スマートエントリーなどの装備の違いがある。S-VSCはざっと10万円、CDチェンジャーはざっと5万円で、スマートキーとクルーズコントロールを合わせてざっと10万円というところだから、まあ妥当な価格差といえる。
SとGのそれぞれにツーリングセレクションが設定されていて、これは16タイヤを履くほか、専用にチューンされたサスペンション、エアロパーツディスチャージヘッドライトなどが装備されて、16万円高い設定となる。
つまり新型プリウスの価格は
S 215万円
Sツーリングセレクション 231万円
G 241万円
Gツーリングセレクション 257万円
という構成になる。
このうちどれを選ぶかを考えるときに注意したいのは燃費性能だ。プリウスではエコ性能は重要な要素だが、グレードによって燃費性能が変わっている。35.5km/Lという超低燃費を実現するのはSのみで、ツーリングセレクションを選択すると、いずれも燃費は30.0km/Lにまで落ちてしまう。Gは車両重量がやや重くなることなどが影響して33.0km/Lの燃費である。
環境性能を重視するなら当然ながらSを選びたいところだが、Sの難点は最新の安全装備であるS-VSCが装備されないことだ。これは従来のVSCの制御に加え、ステアリングとの総合制御を図ったもので、VSC、ECB(電子制御ブレーキ)、モーターTRC(トラクションコントロール)などを総合的に制御する最新のシステムだ。なのにSではこれが選べないのだから困ったもの。本当ならSにこれが装備されるのが良いのだが、現状ではやむを得ずGを選ぶことになる。
SでもGでもツーリングセレクションはお勧めできない。タイヤサイズが大きくなることなどによって燃費性能が悪化しているほか、エアロパーツなどによって価格が高くなっているのはあまり歓迎できないからだ。プリウスを買うなら、標準のG選ぶのが絶対と言っても良い。ほかのグレードはいずれも難がある。
オプションは23万円のカーナビが絶対。車庫入れを手助けしてくれるインテリジェント・パーキング・アシストを含めてこの価格だから、これは相当な割安感がある。このほか、サイドSRSエアバッグの6万円も必須のオプションだろう。トータル270万円というのがプリウスの価格で、これに諸費用を加えるとざっと300万円になる。グリー税制の適用が受けられるほか、補助金の交付を受けられる人なら、実際の購入価格はもう少し安上がりになる。
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新型プリウスデビュー