モーター音を人工的に発生させ、歩行者に知らせる装置

 接近通報装置
あまりに静かなプリウスのEV走行時にも、歩行者などにクルマの接近を知らせるための接近通報装置が発売される

新車販売台数トップの座を1年以上もキープし続けるなど、いまだに圧倒的な人気を誇るトヨタ・プリウスですが、その売りのひとつに低速走行時にエンジンの動力を使わず、電気モーターの動力だけで走行(EV走行)ができる点が挙げられます。エンジンが掛かっていないのですから、当然、走行音はほとんどなく、その走りは驚くほど静かです。

ところが、プリウスの販売台数が激的に増えたことで、これまで日本の交通環境の中にはなかったこのEV走行に対して、新たな問題が浮上してきました。それは、あまりにも静かすぎて、歩行者などがクルマの存在に気付きにくいという問題です。特に目の不自由な方にとっては、ほとんど音を発せずに近づいてくるクルマは、かなりの脅威になるものと想像できます。

実際、私も以前にプリウス・プラグインハイブリッドで人通りの多い市街地を運転した際、EV走行では歩行者になかなかクルマの存在を気付いてもらえず、ドライバーの立場から見ても、あまりに静かすぎるのはいろいろと不都合があると感じました。

この問題に対して、国土交通省では「ハイブリッド車等の静音性に関する対策検討委員会」を開催し、昨年より対策方法について協議を続けてきました。そして、今年1月、音付けによる対策を義務付ける新たなガイドラインを発行しました。

対策が適用されるのは、EV走行が可能なハイブリッド車と電気自動車で、発進から20km/hまでの走行時と後退時に何らかの音を発する対策が求められます。発音は自動で行われ、クルマの動きをイメージできるように、車速に応じて音量や音程を変化させるシステムにする必要があります。

今のところ、新車装着の義務付けやすでに販売されたクルマへの後付け装着についての規則などは決まっていませんが、こうした動きに対してトヨタでは、いち早く現行プリウス用に「車両接近通報装置」を開発してきたのです。


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