自販連(日本自動車販売協会連合会)がまとめた自動車統計によると、2001年に販売された乗用車(軽自動車を除いた登録車が対象)のうち、AT車の比率が93%に達したという。これは前年に比べて1.8%の上昇だ。

日本の乗用車のAT車比率は一貫して上昇してきたが、90%を超えたあたりからそろそろ上限に達したと言われていた。それでもまだ上昇を続けるのだから、AT車に対するニーズは根強いものがある。というか、最近はスポーティカーの販売が大きく落ち込んでいるため、どうしてもATの比率が高くなるということだろう。

メーカー別のAT車の比率を見ると、やや意外だがホンダが97.3%(前年比3.0ポイント増)で首位に立つ。ホンダというとスポーティなイメージが強いが、最近ではRVを中心にAT車が高いウエイトを占めるメーカーになっているのが分かる。ただ、昨年後半以降にインテグラやシビックのタイプRが発売されているので、2002年のAT車比率は少し下がる可能性もある。

2位はトヨタといすゞで、いずれも94.1%。トヨタが1.2ポイント増、いすゞが2.7ポイント増で、これら上位3メーカーは平均を上回る数字になった。

逆にAT車の比率が最も低かったのは富士重工で、75.6%にとどまった。これはインプレッサのWRXなどがMT車を中心に売れているためだ。スバルの4WDは雪国て良く売れていて、雪国の北海道ではMT車の比率がやや高めであることも影響しているが、MT車の比率だけから見ると、スバルが最もスポーティなメーカーといえるのかも知れない。

販売される乗用車うちAT車が大半を占めるだけに、普通のクルマのリセールバリューはAT車でないと話にならない状態。セダン系の乗用車やミニバンなどでは、AT車しか設定されない車種が増えているが、仮にMT車があっても新車の時点でほとんど売れないだろうし、中古車になるとメチャ安になってしまう。手放すときのことを考えたら、AT車以外は買えないといってもいい。

ランサーエボリューションにもAT車が登場
MT車は今後、限られたスポーツカーやスポーティカーを中心にわずかな台数だけが残っていくことになると思われるが、この夏にはスカイラインGT-Rやシルビア、アンフィニRX-7などが排気ガス対策ができなくて生産中止になる。当面はますますMT車の販売比率が下がっていくことになりそうだ。

このため、中長期的に見ると、スポーティカーのMT車には稀少価値が生じてくる。スポーティカーに限って言えば、AT車ではダメでMT車でなければということになるから、稀少価値のMT車が意外な高値を付けることも考えられる。最近ではマニュアル操作が可能なAT車も増えているが、スポーツ志向の強いユーザーはこれでは本物ではないと考えている。

セダンやRVではAT車が圧倒的な状態が続き、特定のスポーティモデルではMT車が人気を集めるという二極分化の傾向は、今後ますますはっきりしたものになっていくだろう。
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