part1では、フローリングフロアやシートに関してのお話しをしましたが、ここPART2では具体的な使い勝手と走りについて、見てみましょう。

使い勝手・・という部分も新型では大きく変わった部分です。
新しい機能も加わってはいますが、どらかというと今までのようなミニバンらしい道具に徹した使い勝手という部分はなくなっています。
たとえばシートアレンジの部分では、新型でも2列目と3列目でのフルフラットはできますが、従来型のように1~3列目すべてでフルフラットが可能だったり、ベッドのような凸凹が少ないフラットにはなりません。「シートアレンジよりも、乗用車的な座り心地を目指した」ということから割り切られた機能です。ここは意見の分かれるところですが、小さな子供が居る人にとって、あのフルフラットは魅力だったんですけどね。
またフル乗車時の荷室のスペースも若干狭くなり、
写真1.の左側のシートがスライドを一番前にした状態で、右側のシートが一番後ろの状態。そして写真2.は、1.のシート位置の時の2列目シートの足元空間。
さらに従来型ではシートの下にもちょっとした荷物が入れられる空間があり、長い物や、またフルフラットにした時にでも荷室の荷物を全部シート下に仕舞えたのですが、そういったスペースもかなりミニマムになってしまいました。
そのぶん前後のスライド量が増えたり、2列目はタンブルシート(レバーを引くだけでシートバックが前に倒れ、さらにスプリングの力でシートが前方に跳ね上がる)となるなど、使いやすくなっている部分もあります。
 また後席の子供の様子もチェックできる室内確認用ミラー付きサングラスボックスが装備されるなど、オリジナルの工夫も多いです。

ただ実際に使ってみると、確かに開発スタッフがたびたび繰り返す「乗用車的」な要素は強く感じるものの、ミニバン本来の魅力である機能性や道具的な要素は見えなくなってしまいました。
とくに従来型のような現実的な使い勝手の良さというより、雰囲気(イメージ)をずいぶん重用視しているように感じました。
たとえば、この室内確認用ミラーも角度が一箇所でしか固定できないために、シートポジションによっては視線を大きく動かさないと確認ができなかったり、トートバックがスッポリ入る大きなグローブボックスが用意されているものの、純正HDDナビを装着すると、本体がこのグローブボックスに入ってしまうために(専用成形されたグローブボックスに変更されるため、他の位置には装着できない)トートバックはもちろん、かなりの収納スペースが犠牲になってしまったり・・。
ナビ本体がなければ、バックもスッポリ入ってしまう深さと間口の広さがあるグローブボックス



見た目は乗用車的で先進的な雰囲気があるのに、使ってみると「あれ?」と感じる部分が多々ありました。

だふん、ここがステップワゴンを選ぶか他のミニバンを選ぶかのキーになる部分。とくにこのクルマのユーザー層に多い初代→2代目目と乗り継いできた人にとっては難しい選択となるでしょう。なにしろ今までの最大の魅力であったミニバンらしい機能性が希薄になってしまったのだから。いかにも“ミニバン”していた部分が他のモデルとの大きな違いであり特徴だったのに、すっかりそんな尖った部分は無くなり、今的な雰囲気重視の5ナンバーミニバンとなってしまいました。私は、これだけミニバンの種類も増えた今だからこそ、キープコンセプトでステップワゴンらしさを貫いて欲しかったのですが・・。

走り



走りも大きく変わりました。
安定感を増し、乗り心地もカチッとした軽快感のあるものになっています。ステアリングの応答性も格段に良くなり、さらに先進的なメーターや洗練されたインパネのおかげで、ここもやはりちょっとアイポイントの高い乗用車、という雰囲気に。2種類あるエンジンですが2.4lエンジンは本当に軽くスムーズで速い! キビキビとした動きと相まってドライビングを楽しくしてくれます。
 またステアリングの上下の高さを調整できるチルト機能だけでなく、腕の長さに合わせ前後に位置調整できるテレスコピック機能も採用されているので、小柄な人でも大柄な人でも自分にピッタリのポジションがとれるのも他のミニバンにはない部分。だから余計走りを楽しみたい人には満足度が高くなっています。
視界は広いですが、ボンネットの先端はまったく見えないです

 もう一つの2lエンジンは、4ATということもあり(ちなみに2.4lはCVT)ちょっとスムーズさにも欠ける部分も。でもパワフルさは十分にあり、キビキビ走ろうと思わなければ十分満足できるエンジンです。

後席にも乗ってドライブしてみたのですが・・2列目は大きなシートにも助けられてまぁまぁリラックスして乗れるのですが、3列目はちょっと硬い感じを受けましたね。2列目だってけしてソフトな乗り心地ではないので、スポーティなミニバンに乗っているという印象は拭えません。後席に人を乗せることが多いミニバンなのだから、もっとソフトな乗り心地にすることは考えなかったのか?尋ねてみると「走りも乗用車的な楽しく気持ち良く走れることをメインに考えました」ということで、後席よりも運転席の人がいかに楽しくドライブできるか、にウエイトをおいたとのこと。
こういった走りも、ミニバンらしさを払拭しているわけです。まぁ乗り心地が悪い、というほどではないですが後席に座っていると「もう少し落ち着いた乗り心地がいいな」と感じたのも事実。目に映るものはリラックス感を与える、明るく開放的でエレガントな雰囲気になっているのに、走りだすとなんだか勝ち気でボーイッシュ。このギャップがファミリーカーとしてどうかな? と私は感じたのでした。

ファミリーカーとして見ると、これらの気になる部分はあるものの、一つ一つは本当に良くできています。PART1でも書きましたが、オデッセイのようなスポーティさを求める人にはグッとくる中身で、確かに生活臭を感じさせないクルマにはなっています。
 ただし生粋のファミリーミニバンとして使いやすいクルマを求めるならば、他のモデルとじっくり乗り比べて欲しいと思います。ステップワゴンは雰囲気がすごく良くまとまっていること、さらにフローリングフロアや障子のような木漏れ日を楽しめるトップライトルーフなどインパクトのあるアイテムが多く、そこがライバルでもあるノア/ボクシーやセレナとの大きな違いです。
雰囲気重視でいくか? 実用性でいくか? 走りの気持ち良さでいくか? 乗り心地でいくか? これらのポイントのどこに的を絞るかで評価はまったく変わってしまうクルマです。
ずばり新型ステップワゴンは、雰囲気のある5ナンバーミニバン、あるいはドライバーが気持ちよく走れる5ナンバーミニバン求める人にオススメできるモデルです。
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