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トヨタとダイハツが共同開発したコンパクトカー パッソ&プーンをチェック

女性ユーザーを意識した新しいコンパクトカーが登場。実際の使い勝手や、チャイルドシートを乗せるなどファミリーユースとして使った時の実力をチェックしてみました

執筆者:森山 みずほ


軽自動車が持つ取り回しの良さや経済性と、コンパクカーの持つ走りの性能やユーティリティ、そして安全性。この二つを融合させたクルマがパッソ&プーンなのです。

トヨタから販売されるのがパッソ、そしてダイハツで販売されるのがプーンとネーミングは違いますが、エンジン、スタイル、ボディカラーにいたるまで、両車はまったく一緒。唯一違うといったらディーラーオプションで用意されているアイテムくらいです。
そう、このクルマはダイハツとトヨタで共同開発されました。具体的には企画やマーケティングがトヨタ、実際のクルマの開発はコンパクトカーを得意とするダイハツが受け持っているという感じです。

このクルマの全長はヴィッツよりも短く、しかも取り回しのしやすさの目安となる“最小回転半径”は軽自動車並みの4.3m。また燃費も軽自動車並み、いや1lモデルならばリッター20km近くまで走れるで、軽自動車以上の経済性も持っています。
 それでいながら、スタイリングはプレーンでかつ、存在感のあるデザインになっていて、乗る人、乗る場所を選ばないスタイルなのも特徴。それというのも、このクルマは日本のみならず、海外でも販売されることが当初から計画されており、そのため『世界基準の次世代コンパクトカー』としての使命を受けて誕生しているため、走りや安全性も広い視野での基準で造られたクルマになっているわけです。

 実際に乗ってみると、広く明るい雰囲気が印象的です。凝ったデザインはまったくなく、シンプルでクリーンなイメージ。開放感もありクセの無い落ち着いた居心地になっています。
 最近のコンパクトカーの居住性には、本当に驚かされますが、このクルマも例外ではなく後席の足元空間のゆとりも十分で、左右幅、とくに肩まわりにゆとりを感じました。

シート表皮は2種類あるのですが、個人的にはオレンジ系のほうが、より明るさがあってオススメ。
 ちなみにこのシート、前席のシートバックの形状は後席の人とのコミュニケーションを考えショルダー部分に丸みを、そしてクッション部分は、小さなゴミが簡単に掃き出せるように配慮した形状になっています。
 これも、子供を後席に乗せて移動することが多いママやパパへの、ちょっとした心配りの一つ。間口の大きい収納スペースやトートバックなどが置けるスペースがあるなど、荷物が多くなりがちなママにも使いやすくなっているのも特徴です。

また後席シートは簡単に座面を引き出し、ロングクッションモードという座面を拡張することも可能。こうすることで、子供の世話などもできるというのですが・・この使い勝手は、正直「?」でした。なにしろロングクッションモードにすると、子供は余裕で寝かせられますが、親が車内に居られるスペースが後席側には無い! つまり靴を脱いで座面の上に正座をするか、ドアを開け車外から世話をするしかないのです。停車時に子供も遊ばせられます、とメーカーは言うのですが、じゃぁその際、親は前席に座って振り返って見ていないといけないわけで・・・。どうせなら、助手席が前倒しに出来てそこに腰掛けられるとかだったら良かったのになぁ、と思いました。
 ただ逆にこのロングクッションモード、前席との隙間が無くなるため、荷物が床に転がらないようにするとか、ペットを乗せたりするのには、活躍してくれます。そういう使い方のほうが絶対にオススメですね。

そんなシートのギミックよりも、子供と一緒に乗った際に「いいなぁ」と実感したのは、後席ドアの開口部、とくにルーフ側後方が大きく開かれている点でした。小さな子供を抱えて乗り降りさせる際、こういう全高の低いコンパクトカーだと、ついつい子供の頭をゴツン・・とやってしまいがちなのですが、このクルマは頭抜け、とくにこの後方の開口部が大きいというのがこうをきして、子供の乗せ降ろしがとてもラクでした。
  またお年寄りを乗せた際にも、開口部が広いと乗り降りの際の介護もとてもスムーズに行えるんで、いいなぁと感じました。
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