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日常生活の中で使ってみて~子供とドライブ編~ RX-8のファミリー性 その1

RX-8は本当にファミリーカーとしても使えるのか? 実際に日常生活で使ってみた様子を二部に分けてレポートします。ここ第一部は子供とドライブ編。実際に子供と一緒に乗ってみた結果はいかに。

執筆者:森山 みずほ


ファミリーユースを想定し、TypeE(4AT)をトータル600kmほど試乗。買い物や送迎など、RX-8を毎日の生活の中で実際に使った時のレポートを2部に分けてお届けします。ここ第一部では、子供とのドライブ編です。

大人の後席乗降性や燃費編はRX-8のファミリー性 その2をご覧下さい
またクルマについての紹介はRX-8のもう一つの顔をご覧下さい。


チャイルドシートの装着
 パート1でRX-8を紹介した際には、やはり「ファミリーユースでも本当にこのクルマは使えるの?」という声をたくさんいただきました。とくに子供を乗せるなど、後席(観音開きのドア)の使い勝手についての質問が多かったです。そこでここでは、子供を乗せた時の話を中心にレポートいたします。

 今回は長期試乗ということで、まず私が最初に取り組んだのが、チャイルドシート取り付けのためのアンコ造り。RX-8のもう一つの顔でも話したように、RX-8の後席座面は傾斜がきついために、そのままチャイルドシートを取り付けると、かなり寝そべった格好になり、この姿勢だと子供はとてもグズリやすくなってしまいます(これはどのクルマでもそうなんですが)。
 単純に安定性だけで言えば、チャイルドシートの底面の幅が狭め(35cm以下)のものなら、しっかり固定は可能。逆に底面の幅が広めのものはシートの窪みには入らず、一見、いい感じに固定できるように見えるのですが、実際には密着性が乏しく安定感に欠けてしまいます。




 どちらにせよ子供を乗せる場合は、アンコを入れて座面を平にしてあげてください。これは乳幼児に限らず、ジュニアシートを使う年齢でもです。とくに身長が130~140CMくらいは、大人の用のシートベルトだけで問題ないような気がしますが、しっかりシートの奥まで座ると適正な身体の位置にベルトがこないので、やはり座面は平にしてあげましょう。

 さて問題のアンコですが、私がオススメするのは、お風呂マットやプールのビート板などの発泡ポリエチレンのようなものです。これは軽く、しかもつぶれたりしにくく、なおかつ加工がしやすいからです。

私は今回“ヌードル”というベビースイミングなどで使われる、主にプール用の棒状フロートを利用しました。 
このヌードルは一般的に直径が70mmのものが多いのですが、このサイズがRX-8にはピッタリ! だからこれを30cmに切って置くだけでアンコが完成します。

 ヌードルのほかには、お風呂マットを10×30CMに切り、これを重ねて7CMくらいの厚みになるようにしてガムテープなどで固定し、その周りにタオルなどを巻いておけばOKです。

ちなみにヌードルは こちら などでも手軽に手にいれることができます。

実際に子供を乗せて
 さて我が子がRX-8に乗り、最初に訴えたことは“助手席のシートを倒して!”ということでした。そうRX-8の後席の欠点に視界の狭さがあります。大人が座っても、足元は狭くないのに視覚的にはかなり圧迫感を感じるほど。子供ならなおさらそう感じるようです。しかも窓は小さく、上下開閉もしない。と言っても、チャイルドシートに座った子供は、窓より後ろに位置してしまうので、現実にはCピラーの真横に居て、我が子の場合は太いCピラーに書かれたエアバックマークをよく、カリカリ指でなぞって遊んでいました。
 そのうえRX-8の前席はヘッドレストが外せない一体型。これも悩みのタネの一つに。結局、対策としては助手席を一番前に出し、わずかだけどシートを前に倒すことで子供に納得してもらいました(ただこうすると、ドライバーからは左ミラーが少しみづらくなる)
 せっかくだから、助手席前倒しができるか、ヘッドレストが外せるといいですよね。まぁスポーツカーとしてRX-8を楽しみたい人もいると思うので、「ファミリーオプション」みたいな形でもいいので助手席前倒し機構が欲しいと痛感しました。
 後席はセンタートンネルが高く左右がセパレートになっているのですが、これは別段問題なかったです。逆に真ん中にカップホルダーなどがあって使いやすかったです。

 子供の乗せ降ろしに関しては、やはりセンターピラーがないのは便利。とくに助手席を前に出しておけば、かなりラクに作業できます。
 また狭い場所では、後席ドアのみを開けて乗せたりしたことも多々あったのですが、それでも意外なほどラクに子供が乗せられる間口の広さには驚き。この点についてはあまり気になった点はなかったです。

 ただ個人的に気になったのは、ドアの開閉の際に注意をしないと子供の手を挟みやすそうだな、ということ。
 というのも一人で乗り降りができる年齢になると、自分でドアも閉めたがります。その場合、RX-8のリアドアハンドルは、当然ながらフロントドアと重なるセンターに位置していて、この位置に手を置いたままにしている時が何度かあったから。リアドアを閉めてすぐ手を離せばいいのですが、もし親が急いでいたりして、手を置いた状態のままうっかり慌ててフロントドアを閉めてしまったら・・。想像するだけでも怖いですよね。しかもRX-8のドアは比較的軽いので、思いの外、強風などでも閉まることもあったので。
 クルマのドアに手を挟む事故というのは、普通でもとても多いこと。しかもまだ慣れないこういった造りだと、なおさら気をつけないといけないな、と強く感じました。

 またもう一点気になったのは、後席はけっこう暑かったということ。これはエアコンの風の周りが良くない点、そしてセンタートンネルの足元から、排気関係の熱気が伝わってくるため。この時期、子供は汗かきですが、とくにRX-8に乗った時は20~30分ですぐに汗だくになっていたので、背中にガーゼを入れてこまめに差し替えるなどしていました。せめて足元にエアコンの吹き出し口があればいいのですが・・。このへんは少し気になった部分です。

 保育園の送迎など、ほぼ毎日子供と一緒にRX-8に乗っていました。また片道100kmほどのロングドライブにも出かけましたが、全体的には好印象でした。視界の問題など気になる点もいくつかありますが、スポーツカーとしては意外なほど子供とも一緒にドライブできる気がします。観音開きのドアの使い勝手も悪くなく、子供がいてもRX-8は使えるクルマです。

となると、気になるのは大人の後席で乗り降りや燃費などの、実用性の部分。この話は第二部のRX-8のファミリー性 その2 でレポートいたします。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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