低中回転のトルクに余裕があるエンジンと、効率の良いATのおかげだろう。おかげで右足を床まで踏み込まなければならないシーンはほとんどなかった。音は4気筒としては静かなほう。たしかにV6はさらに余裕があるし静かだが、僕は2.0で十分だと思った。
乗り心地はV6よりマイルド。とくに低速でのゴツゴツ感が減っている。逆に高速での落ち着き感はV6のほうが上だが、フラットなのは同じ。とにかく上下の動きが少ないという印象で、ボディの姿勢をピタッとさせながらのクルージングは気持ち良かった。
2.0のパワーステアリングは、速度可変式のV6と違って一般的なタイプ。乗り比べると、自然な感触がやっぱり好ましい。V6でもかなりのレベルだったハンドリングは、前が軽くなったので軽快感がプラスされている。パワーやトルクが限られていることもあって、ESPを効かせるような機会はほとんどなし。足のポテンシャルが完全にエンジンを上回る、安定感抜群のクルマだった。
高速クルーザーとしてラグナを選ぶならV6、オールラウンダーとして選ぶなら2.0。これが結論だ。個人的には2.0で十分に思えたし、旧型ラグナが持っていた自然な感触を残しているのはこちらのほうだ。こうなると5ドアにも2.0を設定してほしいし、2車種が無理なら2.0だけでもいいとさえ思った。価格的な魅力もあるし、いろいろな面でメリットが出るんじゃないだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。