リアシートは、前に乗った5ドアV6と違いがあった。折り畳み方法が、座面を起こしてから背もたれを倒す方式になっていて(5ドアは背もたれを倒すだけ)、その分座面が厚くなっているようだ。ベロア張りということもあって、座った感じはこちらのほうがいい。ヘッドクリアランスにも余裕がある。リアシートでラグナを選ぶならワゴンだ。装備でのV6との違いは、巻き上げ式ブラインドがつかないことぐらいだった。
ラゲッジスペースは、奥行きは全長が長いC5や406のほうが上だが、幅や深さは十分以上で、不満を持つ人はいないはずだ。トノカバーは前側がトレーになったタイプで、テールゲートはガラスハッチを装備するなど、使い勝手はなかなかいいという印象を受けた。
2リッター直列4気筒エンジンは、日本仕様のルノーではセニックに積まれているものと基本的に同じ。最高出力は99kW(135ps)、最大トルクは191Nm(19.5kgm)だ。ATはシフトレバーはV6と同じだが、中身はアイシン製5速ではなく、ルノーPSA共同開発の4速。マニュアルモードが付いたことを除けば、これもセニックと同じだ。
これで1450kgのボディを走らせるのだから、乗る前は力不足ではないかと思った。でも予想はうれしい方向にはずれた。加速はC5や406のブレークより速く、このクラスの輸入車2リッターワゴンではトップレベルだったのだ。とくに発進直後や追い越しをかけた直後など、アクセルを踏んだ直後の加速でライバルに差をつけている。