でも高速道路に入ってクルージングを始めると、フラットな姿勢としっとりした上下の動きが味わえるようになる。この感触はやっぱりルノー。ルーテシアなどに比べると速度域は上になるが、リラックスできることは同じだ。しかも直進安定性は他のルノーと同じように、量産セダンではトップレベル。グランドツアラーとして理想的だ。それを考えると、3リッターV6という大きなエンジンもお似合いだと思った。
ステアリングは電動アシスト式。低速では軽く、路面の感触をあまり伝えてくれないが、速度を上げていくとそうした癖は弱まっていく。ボディサイズのわりに小回りが効くことも付け加えておこう。ハンドリングはけっこう素直。ノーズのV6エンジンの重さは感じられず、思ったとおりにコーナーを抜けていける。ルノーらしい自然なフィーリングだ。スピードを上げてもタイヤはなかなか滑り出さないが、これはESPが付いているためもあるようだ。ESPが効くと、メーター中央のシフトインジケーターが丸ごとオレンジの大きな三角形のインジケーターに変わるので、危ない状況だということがはっきり分かる。
ラグナ2は、ちょっと前のフランス車のテイストを残したクルマという感じがした。派手ではないが美しいデザインと快適な走りの組み合わせは旧型ラグナやサフランみたいだし、低く長いボディとキャビンはXMやエグザンティアを思わせる。運転していてなんだかとてもホッとしたのは、快適性のおかげだけではなかったのかもしれない。いずれにしても、ルノー好きだけでなく、シトロエン好きにもすすめられるクルマといえそうだ。