このエンジンには、12kW のスターター・オルタネーターが装備される。つまりエリップスはハイブリッドカーでもあるわけだ。その名が示すとおり、オルタネーターとして42Vの電気を供給する他、スターターやアシストモーターとしても働く。短い距離ならモーターだけでもクルマを動かすことが可能で、高機能エアコンなど装備の数を増やすこともできる。
980kgという軽めの車両重量とハイブリッドシステムの組み合わせにより、MVEG(欧州燃費測定基準)の排出ガステストサイクルではCO2排出量85g/km、燃料消費量約3.2リッター/100kmという成績をマーク。さらにブレーキ、ステアリング、ギアボックスには「x-by-wire」テクノロジーと呼ばれる電気式アクチュエータを採用しており、リサイクルが困難なオイル類の使用を最小限に抑えているという工夫も見のがせない。
個人的にいちばんひかれたのはデザインだ。最近のルノーのコンセプトカーとしてはオーソドックスな2ボックス5ドアということもあって、この造形が次のトゥインゴやルーテシアにフィードバックされるような気がする。一方環境性能を高めるテクノロジーでは、やはりハイブリッドシステムが気になる。トヨタと日産がこの分野で手を結んだというビッグニュースは、必ずルノーにも影響を及ぼすだろうからだ。