ルノー/トゥインゴ

ロードインプレッション トゥインゴ・クイックシフト5

ヨーロッパでは今年春のジュネーブショーで発表された、ルノー・トゥインゴの新しいクラッチレスMT、クイックシフト5が、本国では昨年実施されたマイナーチェンジ後の車体と組み合わせられ、8月1日から日本でも販売されることになった。それに先駆けて報道向けの試乗会が行われたので、乗った印象を交えて報告していくことにしよう。

執筆者:森口 将之


ルノー・トゥインゴのクラッチレスMTといえばイージーシステムが有名。僕が所有するクルマもこのイージーだ。個人的には、クラッチ操作から開放される一方で、MTならではの運転の楽しさは味わうことができて、燃費も良く、とても気に入っている。しかしトルコン式のATしか乗ったことがない人にとっては、H型のシフトパターンや変速時にアクセルを戻す操作は慣れが必要。さらに渋滞が多い日本では、クラッチの油圧系がトラブルを起こすこともあった。

今回登場したクイックシフト5はそんなイージーに代わるメカニズム。本国ではすでにイージーは生産が終了している。ルノーは2年前の東京モーターショーで、イージーに代わる新型2ペダルMTのプロトタイプをトゥインゴとともに参考出品していた。クイックシフト5はこれの市販版と言えそうだ。エンジンは今までどおり、1.1リッターの直列4気筒SOHC8バルブ。本国にはあるDOHC16バルブは登場しなかった。

クラッチを電子制御の油圧作動に改めただけのイージーに比べると、クイックシフト5ははるかに高度だ。クラッチは電磁式になり、シフトパターンはアップが前(奥)、ダウンが後ろ(手前)のシーケンシャル式となった。これにニュートラルとリバースを加えたhパターンとなる。シフトレバーは実際は単なるスイッチであり、手を触れていないときは常に中立のポジションになる。シフトアップ時にはアクセルを戻し、ダウン時には空吹かしを入れるなどの制御が組み込まれているのも特徴。さらにシフトノブのボタンを押すことで、自動変速のオートモードも選択できる。

マイナーチェンジ後のモデルは、エクステリアデザインは不変だが、ホイール・タイヤは13インチから14インチに拡大された。クイックシフト5を示す文字は付かない。インテリアはダッシュボードはそのままだが、スイッチの色はスケルトン調のレッドに。シフトレバーの根元やノブにも同じ色のお化粧が施された。その奥にはカップホルダーが追加。ドアトリムはポケットが大きくなり、スピーカーが備わった。シートはボディカラーに合わせレッドとグレーの2色のモケットを用意。ドアトリムにも同じモケットが張られる。オーディオはセニックなどと同じCD+チューナーになった。

エンジンを掛けた直後はニュートラルで、シフトレバーを+側へ動かすと、1秒弱ほど後にセンターメータの右端にある表示がNからAになり、まずはオートモードに入る。もう一度動かすか、ノブに付くボタンを押すとそれが1になって、マニュアルモードを選択できる。2速以上に入れていて停止すると1速に変速され、ギアを入れたままエンジンを止めても始動するとニュートラルに戻ってくれる。クリープはそれほど強力ではないが存在する。
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