今回日本に導入することになったクサラは、2リッター直列4気筒DOHCエンジンを積むハッチバック「2.0」1種類。7月には同じエンジンを積むブレークが登場予定だ。旧型には存在した1.6リッターモデルは、現在輸入するかどうか検討中とのことだった。
パリサロンで最初に見たときは違和感が残ったこの顔だが、見慣れていくうちにそう思わなくなってきた。XMから続いてきた上下に薄いフロントマスクが頭に残っていたためで、それより前のGSやCXあたりにむしろイメージが近いと感じるのだ。同じ吊り目でも、プジョーに比べると優しげな目つきもシトロエンらしい。中央のダブルシェブロンはもう少し小さくてもいいように思えるが。それとグリルをのぞき込んだら、エンジンルームに筒抜けになっている部分は1/4ほど。だったらDSみたいにグリルレスにしてもいいのではと思った。
室内はメーターからセンターコンソールにかけてのパネルがガンメタリックから黒になり、オーディオはメーカーオリジナルのカセット+チューナーとなって、表示は時計や外気温度計などと一体化された。今まではフロント用とリア用が上下に離れていたパワーウインドーのスイッチも、エアコンスイッチの下にまとめられた。でもフロント用はかえって遠くなってしまった。もちろんシートのモケットのグラフィックも変更。構造面ではドア内部にサイドインパクトバーが付いた(今までは樹脂製のアブソーバーだけ)ことが新しい。
ちなみに今回導入される「2.0」は、本国のSXをベースとしたモデル。よって従来の2リッターであるエクスクルーシブと比べると、木目調パネルは付かず、ステアリングはウレタン巻きとなり、ワイパーは雨滴感知式ではなくなる。雨滴感知式ワイパーはたしかに便利だし、本革巻きステアリングのタッチも捨てがたいが、どちらもなければなくても困らないものだし、木目調パネルでなくなったのは個人的には大歓迎だ。
フロントシート形状は旧型とおおむね同じ。たっぷりとしたサイズとマイルドなクッションの組み合わせは、依然として眠気を誘うほどの心地よさを味わわせてくれる。リアは格納式センターアームレストがなくなったが、代わりに中央席にもヘッドレストと3点式シートベルトが装備された。しかもヘッドレストは下げたときに場所をとらないデザインで、外さなくてもシートを畳めるようになった。
ラゲッジスペースまわりは、テールゲートのオープナーがレバーから電磁式タッチボタンに変わった。さらにキーにつくリモコンスイッチはボタンが3つに増え、ドアをロックした状態でテールゲートだけ開けることができたり、逆にドアロックを解除してもテールゲートだけは開かない設定にできる。このあたりも、使い勝手を重視するシトロエンらしい配慮だ。