350GTSやミウラといった過去の例を持ち出すまでもなく、ランボルギーニがショーに出品するコンセプトカーはいつの時代も“衝撃”でなければいけないんだと思います。ここ最近は、市販モデル以外にこれといった事件がなく、ランボルギーニのブースに行くのすらためらわれるぐらいでしたが。。。
コンセプトSは、そのユニークさでは過去の例に匹敵する、これぞ正にランボルというべき過激かつ大胆なスタイリングをまとってジュネーブに現れます。デザインはサンタガータ・ボロネーゼのランボルギーニ・スタイル・センター。つまり、ムルシエラゴやガヤルドを描き上げたランボルギーニ・デザインの責任者、ルク・ドンカーヴォルケの手によるもの。
ドンカーヴォルケは、究極のオープンカーを目指してコンセプトSを作りあげたのだと言います。ベースはガヤルド。デザインのヒントはクラシックなシングルシーターのレーシングカー。
とはいえ、フロント・ウィンドウを全く持たないフォーミュラスタイルではなく、ソテー・ベント(フランス語で急激な風の変化の意味)と呼ばれるフロント・ウィンドウを備えることで風をドライバーの頭上に導くという手法を採用しています。
そのため、フォーミュラスタイルのキャビンが2つ並列されるという、バブル期のアズテックのようなユニークなスタイリングとなりました。面白いのは、センター・リヤビュー・ミラー。電動リトラクタブル式で、必要に応じて車両後方の様子を写し出すものです。
ガヤルドベースのロードスターモデルが近い将来登場するのは明か。できればこれぐらい“ブッ飛んだ”市販モデルが欲しいですねえ。そうすればフェラーリへの有効なカウンターパンチとなるでしょう。
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