本サイトでも幾度となくエンツォフェラーリに関する情報をアップしてきましたが、4月半ばにターンパイクでナンバー付き車両を試乗することができたので、ご報告です。(1ヶ月もアップをさびっておりました)
その日のターンパイクは朝からあいにくの雨と霧で”これじゃ街乗り雰囲気しか味わえないかも”と日頃の行いを悔い改めるしかなかったのですが、しばらく待機していると奇跡的に晴れ間がのぞきだし、”やっぱり日頃の行いがいいからな”と身勝手につぶやきつつ、コクピットに滑り込みます。
乗り出し1億円の650馬力マシンとはいえ、そこはF1マチック車。誰でもすんなり前へ動かすことはできるものです。ゆっくり前後したい場合のみ、フラップを2回動かして点滅インジケーターを確認してから動かすという、大パワー車ゆえの操作テクニックがありますが、フツウに乗ってしまうのであればあっけらかんと動き出します。
街乗りスピードだと、まったくフツウのクルマ(もちろん前に見える景色は違いますよ!)。F50のように後ろからせき立てられるようなエンジン音もしないし、精神的な圧迫感もまったくなし。乗り心地もいいし、はっきり言ってこれならコンビニでも行けます。
ところが。ひとたびアクセルを踏み込めばその加速と咆哮は、全身にン百万ボルトの電流が流れるがごとき。峻烈を極め、イッキに体温が上昇し、顔が紅潮、掌に汗が川を作ります。
ハンドル上部に設けられたレブカウンターインジケーターが6000回転から赤色に変わり、右手のパドルを動かせと光で威圧してきます。マニュアルミッションを操るようにアクセルを一瞬オフにして丁寧にシフトアップ。と、アクセルをめいっぱい踏んでいるとこれがなかなか難しくて、ギクシャクしがち。それでもすでに異次元の速度域ですから、クルマ自体は少しもその加速を緩めることなく前へと突き進みます。