お昼前は、テストカーが戻ってくるタイミングだ。工場裏門で待機しよう。今ならF60がガンガン走っているハズである。たまに轟音が聞こえて急いで振り向くとマセラティだったりしてガッカリするが。
さて。そろそろ同伴者はうかない顔になってくるハズだ。ダマされていることに気づく頃合いかも知れぬ。かと言って善後策は限られている。まずは、フェラーリの土産物屋さんに行き、ドアに貼られている世界各地のフェラーリクラブのシールの中から日本のクラブを探すゲームで気を紛らわせよう。日本の人たちが来た、という言葉は案外効くものである。
それでもダメそうな場合は、バールに行く。“エスプレッソでも飲もうか”。イタリア人を気取るのだ。イタリア人は本当によくカッフェを飲む。一杯100円ちょいだ。安いもの。
機嫌が戻ったスキに、自分は土産物屋さんに戻る。同伴者のためにもう一杯カッフェを注文してしばらく本当のイタリア人気分を味わっていただくのだ。女の子ならば絶対ナンパされるだろう。それも爺さんに。マラネロは田舎だからだ。
土産物屋さんでは、手当たり次第に買う、が原則。安いし、欲しいと思って買わないと絶対に後悔する。聖地に来た記念の買い物だ。モノの善し悪しは自分の価値判断でいいではないか!たまにデカイ馬の置物を買う人がいるが、重いので止した方がいい。