ローマに行ってしまうと、モデナははるか北だ。戻ろうにも、オルビエートやシエナ、サンジミニャーノ、そしてフィレンツェと強力な敵、いや観光都市が幾重にも連なっている。日本人の一般的な休暇ではもはやボローニャにも辿り着くまい。
ローマはこの際諦めるのだ。ミラノinである。ホントは京都と東京を足したような街で、買い物ぐらいしか楽しみはないけれど、ドゥオーモは必見!とかモンテナポレオーネ通りでお買い物、といった甘言で切り抜けられたし。
ここまで来ると、今度は自分が不安になってくるものだが、目的地は聖地マラネロである。フェラーリ教信者になったつもりでエンツォフェラーリ尊師、いや総帥に祈りを捧げ自信を取り戻すのだ。レンタカーを借りるだけである。怖いことはない。キャッシュカードと国際免許証を“ボンジョルノ”といって差し出せば、なんとか借りられる。(保険と日程と返却場所は確認してね!英語でね)
ミラノでレンタカーを借りるなら、やっぱり空港が一番だ。なぜならそのまま高速道路に乗って(マルペンサでもリナーテでも)、モデナ&マラネロに直行できる。どうせ、同伴者はミラノがどこか、空港からどれくらいかなんて詳しく知らない。それに高速道路は市内をグルリと迂回する。ドゥオーモはおろかトの濁点すら見えない。
そして、高速(アウトストラーダ)1号線(デルソーレ)を時速160km/hで飛ばせば、2時間にはモデナに着く。着いてしまえばこっちのもの、“あら、間違ってモデナまで来ちゃった、ゴメンゴメン”。成功である。