「S」はアウディのハイパフォーマンスモデルの代名詞
TTシリーズのトップエンドモデルとして位置づけられた「TTS」が追加。今のところクーペのみ、左ハンドルのみの設定で、価格675万円 |
アウディの「S」というと、BMWでいう「M」、メルセデスでいうAMGのような、ハイパフォーマンスモデルに与えられる称号です。初代TTに「S」は存在しなかったのですが、2代目TTには「S」の付く「TTS」が用意されていたわけです。
もともとTTは、初代は端的にいうと、A3をベースにユニークなスタイリングのボディを載せたという内容のクルマ。アウディ自身ももっとニッチなクルマとして位置づけていました。ところがTTは、予想をはるかに超える人気を獲得しました。ゆえに2代目TTは、より本格的なスポーティモデルとしての使命を与えられて開発されることになります。そしてさらに、このようなハイパフォーマンスモデルもラインアップされたという運びです。
最大のポイントはエンジン。すでにスタンダードのTTに搭載されている従来の2L直4DOHCターボ(TFSI)をベースに高性能化が図られたエンジンは、出力が72psアップの272ps、トルクは7.2kgmアップの35.7kgmまで大幅に向上しています。駆動方式はクワトロ(AWD)のみ。トランスミッションは、デュアルクラッチ機構を備えた先進のAMT(=2ペダルMT)の6速Sトロニックが組み合わされます。
内外装も各部が専用に仕立てられていて、見た目からしてもTTとはずいぶん違う雰囲気。ハイパフォーマンスを予感させるルックスとなっています。エクステリアでは、LEDポジショニングランプを内蔵した専用デザインのバイキセノンヘッドランプを採用。さらに、専用のバンパーや、18インチアルミホイール、高性能ブレーキなどが与えられています。マフラー左右対称の4本出しタイプに変更されています。
インテリアでは、本革とアルカンターラを組み合わせたブラックの電動スポーツシートを装備。ドアを開けると、シート側面の「×××」という縫い目に目が留まります。その他の部位がモダンなテイストなので、よけいに目立ち、独特の色気を発しています。
その他、メーターパネルの周囲がレザーになっていたり、シフトパドルがシルバーになっていたりと、細かな部分で差別されていて、スペシャルモデルらしい雰囲気があります。タコメーターを見ると、レッドゾーンは、TTが6500rpmであるのに対し、6800rpmに上がっています。
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