ポルシェ/ポルシェ

「わかりやすさ」がボクスターの魅力(2ページ目)

ポルシェのエントリーモデルであるボクスターは、フルオープン2シーターのピュアスポーツモデルとして1996年に登場。その後、進化を重ね、2006MYより現行型にモデルチェンジ。今回は最新の2008MYに試乗した。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

ミッドシップのお手本ここにあり!

オプション設定のPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメントシステム)は秀逸の完成度につき、ぜひ選びたいところ

そして、走りについて。もともとボクスターは、オープンカーとしてはボディ剛性が高いのですが、最新モデルは、さらにそのレベルの高さを痛感します。剛性の不足しがちなオープンカーにみられる微振動が、ほとんどないことにも感心します。

ステアリングの操舵フィールが非常にしっかりとしているのもポイント。操舵力に適度な重さがありつつ、ミッドシップゆえフロントに重量物のない、何の抵抗もないスッキリとした感覚で、切り始めからリニアにノーズが向きを変えていきます。この感覚はボクスターならでは。リアはリアで、終始、強力なトラクションに守られている感覚があり、横に逃げる不安を感じさせません。

乗り心地がよく、跳ねたり突き上げたりする感覚もありません。アクセルオン/オフでも、ほとんど姿勢が変わらない印象があります。これほど正確にラインをトレースしていくクルマは、ちょっと思い当たらないほど。これまで世に出たミッドシップの市販車は、何かと危なっかしい面が見受けられたものですが、ボクスターはまさに「ミッドシップのお手本ここにあり!」といったところでしょう。

ボクスターとボクスターSでは、パワートレイン以外にブレーキ、タイヤ&ホイール、サスペンションセッティングなども異なる。ボクスターSの標準タイヤサイズはF:235/40R18 R:265/40R18

3.4Lのフラット6エンジンは、低回転域でも十分にトルクフルで、アクセルペダルと一体化したかのようはレスポンスを示します。

動力性能的には不満はないのですが、欲をいうと、とくにサウンドにおいて、いわゆる「官能的」な部分があると、なおうれしいところではありますが、まあそこがそうでもないところもポルシェっぽかったりするわけでして……。

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