IS F専用5L V8エンジン
エンジンは高回転型で、俊敏なレスポンスを示します。4000回転あたりからよりパワフルな感覚が増し、それを盛り上げるかのようにサウンドも変化します。トランスミッションは、このようなクルマにはMTが搭載されることが多いですが、IS Fでは、レクサス自慢の8速ATが与えられています。この組み合わせが素晴らしい! 素早いシフトチェンジが可能で、しかもダイレクト感があり、ATながら2ペダルMTのような側面も持ち合わせています。あえてATを採用した理由がわかったという印象で、シフトチェンジするのが楽しみな味付けです。
LS600hのエンジンをベースにヘッドまわりや吸排気系を新設計し、スポーティな特性を実現。最高出力311kW[423ps]/6600rpm、最大トルク505Nm[51.5kgm]/5200rpmのスペックを誇る |
走行姿勢は極めてフラットで、スタンダードのISも、登場当初は「固い」「跳ねる」といわれたところ、すぐさま改良されて、今ではほどよい引き締まった感覚の乗り味となっていますが、IS Fではさらに上のフラットライド感をもたらします。
乗り心地もいたって快適で、路面の凹凸を巧みにいなしつつ、すぐさま上下動を収束させて、前述のフラットな姿勢をつくりだすという印象。コーナリングでもほとんどロールせず、このままサーキットを走りたくなるほど「走り」の側面をアピールしています。
得られる満足感は大きいのか?
IS Fには6色のボディカラーが設定される。新色エクシードブルーメタリックがイメージカラーとなっている |
ライバルというと、やはりBMWのMやメルセデスのAMG、はたまた日産GT-Rなどが挙げられるでしょう。それらと比べてどうかというのも気になるところですが、パッと乗って直感される味の部分では、けっして引けを取っていないように思えます。また、IS350に比べると、一声200万円以上も高価となってしまうわけですが、得られる満足感を考えると、その差額を払う価値は十分あるのではないかという気もしてきます。
これほど高価なクルマながら、すでに多くのバックオーダーを抱えているそうですが、それはやはり、それ相応の魅力があればこその話でしょう。レクサス初の本格的ハイパフォーマンスモデルであるIS Fが、今後オーナーとなる諸氏にもどのように評価されていくのか、楽しみに見守りたいと思います。
IS Fは2007年東京モーターショーや2008年東京オートサロンにも参考出品され、注目を集めた |
【問い合わせ先】
レクサス公式サイト
レクサスインフォメーションデスク TEL0800-500-5577
【関連記事】
国産車『レクサスIS-Fは「降りたくなくなる」か?』