メルセデス初のCVTにも注目
極めて心地よい乗り味は、フロントに与えられたビルシュタイン社との共同開発によるSDD(ストローク・ディペンデント・ダンピング)と呼ばれる可変ダンパーの効果だそうだ。ピストン・スピードによって減衰力を可変するこのダンパーは、幅広い領域で優れた効果を発揮するという。そんなダンパーの巧みな制御に感心しつつ、ハンブルグの街中を進んでいく。次に印象的なのは、走り出した時から常にスムーズな印象を伝え続けるドライブトレーン、つまりエンジンとトランスミッションだ。
エンジンは最大2リッターまで用意されており、ベンツ初のCVTが組み合わされる |
設計/生産ともにメルセデス・ベンツ製となるAUTOTRONICは、初物と思えぬ出来の良さで、CVTにありがちな違和感を見事に抑えたのは当然として、制御も実に巧みで全体的にスッキリとした印象をドライバーに伝える。
エンジンは先代の1.9Lから100cc排気量をアップしただけだが、体感としてはそれ以上に豊かな印象を与えてくれる。どの回転からでも望む力を容易く引き出せ、扱いやすさが際だっている。もちろん性能も効率も先代以上に優れたものながら、だ。
ただ最も感心したのは、そうしたディテールにおける良さではなく、パワートレーン全体としての好印象を伝えること。つまりエンジンが、CVTが、とかいうのではなく、ただただ純粋に扱いやすいなぁと感じさせる点だ。サウンドや振動が主役となるほどは出しゃばらず、こちらの操作に対して忠実に実務をこなす…まさにメルセデス・ベンツらしいパワートレーンだ。