文章 : 高山則政(All About Japan「カーメンテナンス」旧ガイド)
タイヤ空気圧が減るとどうなる
一般ユーザーが普段から気を付けるべきメンテナンス項目に、タイヤの空気圧チェックというのがあります。タイヤの空気圧が規定値より減ってくると、路面を転がる時の抵抗が増加するので燃費が悪くなってきたり、変形が大きく正常が接地面が得られないので偏摩耗を起こして寿命を縮めるなどの経済性の悪化が起こります。
また、タイヤの剛性が低くなり(柔らかくなり)、ステアリングを切った時の応答性が悪くなったり、コーナリング中の安定性が低下するなど、操縦安定性の低下が起こります。
空気圧は、本来クルマを運転する前の始業点検として行う必要がありますが、実際にそこまでやる人はほとんどいないでしょうし、最近のタイヤは、扁平率の低い厚みの薄いタイヤが多いので、少し抜けたくらいでは、見た目の変化が現れにくいこともあります。さらに、走行中にクギを踏むなどのトラブルで、急速に空気が抜けることもあります。
運転中に空気が抜けて来たことに気付くくらいになってくると、もはやスペアタイヤに交換するしかありません。初期の段階なら、ガソリンスタンドに駆け込むなどということもできますが、例えば高速道路でパンクに見舞われた場合は、路肩にクルマを止めてタイヤ交換するようなケースも出てくると思われます。こうなると、作業も大変ですが事故の危険性も出てきます。
ランフラットタイヤの採用は、まだ限定的
そのようなことから、空気が抜けてもタイヤがペッタンコにならないランフラットタイヤ等も開発されてきており、一部の高価なクルマでは採用されてきています。ランフラットタイヤの装着で問題になるのは、空気圧が減っても普通に走れる分、ドライバーが異常に気付きにくくなってしまうことです。このため、このようなタイヤを装着する場合は、空気圧の警報システムがセットで搭載されています。
また、アメリカなどではパンクして走行できなくなることが、生死を左右することもあるので、後付け用品として一般タイヤにも装備できるシステムが存在するようです。