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パンク時などのトラブル時にあわてないように タイヤ交換の方法をおさらい(2ページ目)

JAFの出動件数の上位にタイヤトラブルがありますが、本来は自力でリカバリーできるよう、必要なものはどのクルマにも装備されてます。いざというときの活用法をおさらいしましょう。

執筆者:高山 則政

スペアタイヤへの交換
 さて、いよいよ本題なのですが、一例としてスペアタイヤへの交換を行ってみます。まず、クルマからジャッキとそれを回すハンドル(外車では一体になったタイプもある)、ホイールレンチ、スペアタイヤを降ろします。中古車では足りなかったりすることがまれにあるので、はじめに全部揃えます。これに輪止めが加わるとベストです。

 まず、交換しようとするタイヤのホイールナットを緩めます。ジャッキアップしてからだと、クルマが揺さぶられるので危険ですし、ブレーキの効いていない方のタイヤでは空回りするだけです。このため、地面にタイヤが接しているうちに緩めておきます。ホイールレンチをしっかり掛け、時計反対方向に緩めます。このときは半回転くらい回ればよく、あとはタイヤが上がりきってから完全に緩めます。また、ナットが固くてゆるまない場合、緩め方向に限ってはレンチに体重を乗せてもかまいません。

 輪止めをする場合は、ジャッキアップするタイヤの対角線側に行います。タイヤと地面の間にくさびを打つような感じで、密着させておきます。

指定のジャッキポイントに掛ける

 クルマには、ジャッキを掛けるポイントが決まっていますが、車載ジャッキの場合はサイドシルというドアの開口部より下の部分です。前後それぞれに、切り欠きマークや矢印があるのが分かると思います。切り欠きマークの場合、2個ある場合はマークの間に、1個の場合はマークの部分がジャッキポイントとなることが多いでしょうが、正確な位置はオーナーズマニュアルでの確認をします。サイドスカートが付いているクルマでは、ボディパネルそのものが見えにくいこともありますが、きちんと確認するようにします。いい加減なジャッキアップは、ボディをへこませたり重大事故の元になります。
 ジャッキ側には、てっぺんの受け皿に溝が入ったようになっていますが、この部分にボディパネルが入るようにします。ジャッキを地面に置いたらハンドルを回して伸ばしていきますが、ボディを持ち上げる直前が最も神経を使うところです。溝とボディがずれていると初めは良くても、重量が掛かるに従って危険な状態になるのでセットは確実に行います。

 ジャッキが掛かったら、ハンドルをグルグル回していけばボディが上がってきますが、上昇中はクルマが前後に動いたりしないか?ジャッキが傾かないかなどに気を付けますが、タイヤやボディの直下やジャッキ付近に足を入れないようにします。

 タイヤが地面より浮き上がったら上昇位置は十分です。地面とのすき間が1~2cmではタイヤが引っかかってやりにくいですが、あまり高すぎても不安定さが増すだけです。スペアタイヤへの交換時は、タイヤ外径が小さくなって装着時の地面とのすき間は十分確保されるので、5cmも浮けば十分でしょう。

 ホイールのナットを緩めて取り外したら、タイヤを外して、ジャッキを降ろす直前までボディの下に入れておきます。これも、安全確保のためです。また、この状態でクルマの下に入ったりしてはいけません。
 余談ですが、ジャッキだけを掛けてクルマのマフラー修理などをして、命を落とした例もあります。車載ジャッキは横からの力が加わると、かなり簡単に倒れるので要注意です。クルマの中に乗員がいるときは、動かないようにしてもらった方が良いでしょう(軽くする意味でも、降りてもらうのがベスト)。
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