フィアット復活物語のその後を継ぐモデル
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ライト周りのリング部分には、シルバー系だけで濃度違いで3色を用意。それ以外にボディ同色とブラック仕様もあり。女性にはよくお分かりのとおり、これはアイラインのようなものだから意外に重要。このリング色次第で随分印象が変わります |
とうとう(「ようやく!」という感じの方も多いと思いますが)日本導入が間近にせまってきたアルファ ミート。アルファロメオの新しいエントリーカーとしてデビューした新型コンパクトカーは、フィアット復活物語の立役者となったグランデ プントをベースに開発されました。
そこかしこに広がる“波紋”
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ボディサイズはゴルフよりやや小さめ。8Cコンペティツィオーネのエッセンスを採りいれたグラマラスな外見は、サイズ以上の存在感を漂わせます。左はミートのデザインのルーツともいえる8Cコンペティツィオーネ |
欧州仕様のボディサイズは全長4063×全幅1721×全高1446mm。日本仕様のVW・ゴルフと比較してみると、全長が142mm短く、全幅が39mm小さくて、全高が74mm低い。案外引き締まった体つきながら、強烈な存在感と量感が漂うのはとりもなおさずグラマラスなエクステリアによるものでしょう。
まずはマニュアルから
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まずは6MTのみのラインナップ。左上のスイッチは“アルファDNAシステム”の操作用で、エンジンやパワーステアリングの設定などを、スポーツ走行やウェット路面など3つのモード向けに切り換えることができます |
エンジンはすべて直4DOHCで、155ps/230Nmを発揮するターボ搭載1.4リッターガソリンユニット、120ps/320Nmのターボ搭載1.6リッターディーゼルユニット、78ps/120NmのNA1.4リッターガソリンユニットの3種類。トランスミッションはひとまず6段MTのみのラインナップですが、年内もしくは来年あたりにはツインクラッチATが追加される模様です。
日本に導入されるのはおそらく155ps発揮のターボエンジン仕様と思われるのですが、個人的には出力78psのエントリーグレードが気になるところ。この極端に低い出力は、イタリアでの新しい免許制度を目したもの。免許取得後1年未満のドライバーは1tあたりの出力が68psを超えるクルマを運転できなくなるというものなんです。ともあれ、ちょっとくらい非力でも車重が60kg程度軽いコンパクトなアルファロメオを6MTで操るなんて、考えただけでワクワクしてきませんか。
スーパースポーツとコンパクトカーの蜜月な関係
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個人的に「これは似てる!」と思ったのがリアエンド。右が8Cコンペティツィオーネ、左がミートです |
外観デザインのルーツはアルファロメオのスーパースポーツ、8Cコンペティツィオーネ。丸型なのにキレのあるヘッドライトや、這いつくばうようにして口を開けているエアインテーク、円形テールライトが印象的なリアビューなど、8Cコンペティツィオーネのエッセンスを巧みに採りこんでいます。スーパーカーの要素をここまで上手にコンパクトカーのデザインに生かすことができるのならば、今後フェラーリやランボルギーニ、ポルシェのBセグメントなんていうのが出てきたとしたらコンパクトカー界も一層盛り上がるに違いありません。
“らしさ”は内装にも
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クオリティ・デザインのセンスともにグレードの高さを感じさせるインテリア。一歩間違うとブラック×シルバーの配色を、ここまで垢抜けた印象に仕上げるのは流石のひとこと |
インテリアにもやはり8Cコンペティツィオーネ由来のスポーティネスを反映。サークルモチーフを多用したり、カーボン調の織り地を思わせるダッシュボードトリムを上級モデルに用意するなど、8Cコンペティツィオーネからのインスピレーションを強く感じさせます。さらに、ポルトローナ・フラウ社製のレザー内装を選ぶこともできるようで、このあたりの贅沢加減・色気具合というのもさすがイタリア車。
ではミート、実際走ってみたらどうなのか。詳しい試乗レポートについては日本導入後すぐにお知らせしたいと思います。ただし、先般少しだけ試乗する機会があったのですが、間違いなくアルファロメオらしいキレのある走りを実現していることだけは確か。コーナーを曲がるたびに思わず頬が緩んでしまうくらい、良い意味で“アルファロメオ的”なハンドリングを身につけています。ところで気になる日本デビュー時期は5月が濃厚。もうちょっとだけ首を長くして待つことにいたしましょう。
エンスージアズム、嗜好性、趣味性、愛着感、ひと目惚れする求心力。ミートには、現代のクルマに足りないと危惧されている要素がことごとく詰め込まれています。小さく軽くお洒落で色気があって、交差点で曲がるのすら楽しいハンドリング。これぞアルファロメオの真骨頂。小悪魔アルファの魅力には、どうも打ち勝てそうもありません。