その名もポルテである。イタリア語で「ドア」という名前。ツードアなのできちんと複数形の「porte」となっているのも(単数形だと「porta」)イタリアかぶれには、やるじゃん、と思わせる。
その名の通り、このクルマの売りはドア。2ドアスライドなのである。スライドドアに関してはミニバン系でもお馴染み。ついでにトヨタでも『ラウム』なんてのもある。特に目新しいものじゃない。
でもこのクルマはツードアなのだ。運転席側はふつーの扉開き。そして助手席側が大きく開くスライドドア。これをどう判断しよう?
3ドアや4ドアを違って2ドアにするメリットは、コンパクトなボディながらスライドドアを開いたときの開口部が大きくとれること。なるほど、がーっと横に動かすと間口がでかい! 助手席へはもちろん、リアシートへも簡単にアクセスできる。カラダの小さな子供たちなら、助手席をまったく動かすことなく出入りできるだろう。
つまりワンアクション、一気乗り。これが可能なのがスライドツードアなのである。
ケース毎に検証してみよう。
例えば小さな子供といっしょの家族乗り。子供をちゃちゃっとリアシートに誘導でき、しかも助手席に座る人がドアを閉めるから確実にドアを操作できる。子供がリアシートで勝手にドアを開けるということもない。さらにスライドドアゆえに、ファミレスやスーパーでフルオープンしたときも、隣のクルマに「がっ」とぶつけることもない。小さな子供さんでこの「がっ!」を経験し冷や汗をかいた人も多いんじゃないだろうか。
例えばチャイルドシート。リアシートに付ける場合は、助手席を一番前に出し、背もたれを前にテーブル状態になるまでたためば圧倒的に装着しやすくなる。ついでに運転席のお母さんからチャイルドシートに座る子供への空間も一体化する。もちろんスライドドアゆえにチャイルドシートに座らせるときによくやる「チャイルドシートパンチ」(子供に一所懸命になるあまり、オシリでドアを全開にし、隣のクルマにぶつけること)もない。
クルマの中に一歩、入れば高い天井、低いフロア。前席と後席は素晴らしく平らな床なのでウォークスルーも楽々。
ただ、ひとりで乗る場合は荷物をリアシートにぽいっと入れるときはちょっと不便。ついでにエンジンは1・3L&1・5Lとコンパクトカー・サイズだけれど、実際にポルテを目の当たりにすると、え? っというくらい背が高くてボリュームのあるボディは迫力がある。
ひとり乗りよりは、チビーズのいるファミリーにお勧めなクルマである。
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