想定内の走り
エアサス装着車であれば車高を下げられるので、重い荷物の積み降ろしがラクになる。ワンタッチでフォールドダウンする後席は6:4分割。こちらも分割式トノカバーは脱着がしやすく、さらにバックドアを開ければトノカバーが移動し、荷物の出し入れを邪魔しない |
試乗したのは4WDのバージョンL、4WDのバージョンLエアサス、2WDのバージョンS。LとLエアサスの違いは想像していたよりも小さく、エアサスの乗り心地や足の動きはエアサスらしくスムーズで滑らかなのだが、金属バネの出来もかなりいい。本当はエアサスが欲しいけれども、金属バネでガマンと悔しがる必要はない。エアサスの利点だが、3つのハイトコントロールを備えていることで、荷物が多い人や高速道路でのロングドライブが多い人には、メリットを感じるシーンに多く遭遇するかも知れない。
一方のバージョンSは、欧州仕様のセッティングに準ずるため、足まわりもエキゾーストも一枚も二枚も文字どおりスポーティだ。ハンドリングもよりクイックで楽しめるし、バージョンLでは静かすぎて刺激がもの足らない人には打ってつけだ。
充実の装備
サプライヤーのデンソーと共に、先行開発期間を含めると軽く5年以上の期間をかけて開発。操作ノブのコントロールは慣れてしまえば使いやすい。「決定」する際についつい決定ボタンではなく、操作ノブの頭を押してしまう |
さてだが、大柄な大人4人でも不満なく乗れる広さだ。前後ともシートサイズは大柄で快適。171cmのレポーターでドラポジを取ると、その後には膝前にコブシ2つ、頭上にコブシ1つ半くらいの余裕がある。後席のシートスライド量も120mmと不足はない。荷室は、背もたれをレバーのワンアクションで倒せば容易に拡大できる。後席乗車でもゴルフバッグ4つ分のスペースを確保。ゴルフエクスプレスとしての資質も十分だろう。
日本勢では価格差が大きいが、日産ムラーノ、マツダCX-7、輸入車勢は多士済々でBMW・X3、X5やメルセデスのMクラス、ポルシェ・カイエンなど充実している。たとえば、BMW・X6が放つような強烈な「個性」という点では少々優等生的すぎてもの足らない気も。高級SUVだけに欠かせない要素だ。
高い静粛性など、RXの快適性は高く、ハズしではない高級SUVなのは確かだが、必殺一撃の飛び道具が欲しい。そうなるとハイブリッドでフラッグシップたるRX450hの登場を待っても遅くはないかもしれない。
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