それでも魅力的な快適性と実用性
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エルグランドの荷室スペース。横幅と天地方向のスペースは文句ないが、3列目まで大人が座るとスペースはこの程度。荷物の置き場に少々苦労する |
大人6人、子ども1人の実用性にいくつかの注文点があったのは確かだが、これ以上のサイズアップはボディを大きくするしかなく、日本の道路事情を考えると懸命ではない。しかし、このパッケージでも1台で移動できること自体が大きな魅力だ。フル乗車時にあまり荷物が積めないとはいっても、短時間なら足もとに置くことができるし、他の5ナンバーサイズのミニバンでは味わえない広大な空間は得難い魅力である。さらに、もし2台で移動するとなるとはぐれないようにするなど煩わしさが増すし、ガソリン代を含めて交通費もかさんでしまう。ドライバーが多少「運転手だなぁ」という疎外感を抱くこともあったが、1台で移動できるのはやはり楽しい。「一家に1台、仲間内に1台」あるとみんなとの行動範囲が広がることは間違いないだろう。
2500ccでも実用上不満はない
エルグランドは排気量の小さい2500ccのモデルでも力不足は思いのほか感じなかった。よほど高速道路やワインディングを吹っ飛ばしたいという欲求や頻繁にロングドライブをしない限り、価格的にも「賢者の買い物」と言える。3500ccエンジンは確かに力強いし、走りに余裕があり「高級車に乗っている」という感覚を抱く。しかし大排気量エンジンを選ぶ際は、「誰よりも速いミニバンが欲しい」という欲求が強いことを確認してから購入したい。燃費の差、ハイオクとレギュラーガソリンの差もある。サイフに優しいのはもちろん2500ccユニットだ。フル乗車前は大型ミニバンはV6に限る! と思っていた自分も宗旨替えするほどの「必要十分なパワーがもたらす走り」に脱帽だったからだ。