意外なのは4WDシステムである。プラド同様に40対60の不等トルク配分のトルセンLSDを採用しているのだが、サーフはパートタイム方式を用いているのだ。同じエンジンを搭載した4WDモデル同士で比較するとモード燃費では0.2km/Lほどサーフが優れているので、燃費での有利さを狙ってのパートタイム4WDともいえるのだが、3%にも満たない向上率を考えると少々納得しがたい。どちらかといえば、2WD走行、つまりFRでのアクセルワークを用いたスポーティな走りも楽しめる、というためのパートタイム方式と思われる。
搭載エンジンについては、プラドと同じくV6の3.4L、直4の2.7L、新型コモンレール直噴を用いた3Lターボディーゼルの3タイプ。ミッションはフレックスロックアップ付きの電子制御4速ATを採用する。
ボディは従来どおり5ドアの2列シート仕様のみ。SSR-XとSSR-Gの2グレード設定で、SSR-Xには専用の内外装を施したアメリカンバージョンも用意されている。また、SSR-Gは4WD車のみの設定となっている。
2列シート仕様のみの設定は、プラドに対する実用面のハンデになるが、荷室の使い勝手の向上にはプラドよりも積極的であり、上下に二分して使えるダブルデッキを採用。また、レジャーにおいて音楽にもこだわるユーザーを配慮してJBLの10スピーカーオーディオシステムを採用するのもセールスポイントのひとつとなっている。
というのが、新型サーフの大まかなガイドだが、全体的に見るとプラドのほうが内容的に濃いのは否定し難い。ただ、サーフを語る上で決して外せないのが価格設定である。前述したとおりプラドよりも安価なのである。5ドア4WDで比較した場合、20~30万円くらいサーフのほうが安い。装備内容やシート仕様の違いがあるとはいえ、車両価格の1割に近い差は大きい。さらに、FRの2.7L車ならば232万円であり、最低でも287万円(5ドア)からとなるプラドと比較すると、この価格の敷居の低さは若いドライバーに対する大きな訴求力となるだろう。
【新型プラドの解説はコチラ】
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。