モータースポーツ/WTCC(世界ツーリングカー選手権)について

世界一の喧嘩レース、WTCCが熱い!(2ページ目)

いつでもどこでもサイドバイサイド!前のマシンを押してでも抜く!「世界一の喧嘩レース」と形容されるWTCC(世界ツーリングカー選手権)の2010年の見所をご紹介。今後、要注目のレースカテゴリーです!

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

昨年の王者はディーゼルターボ、SEATレオンTDI

SEATレオンTDI
【写真提供:WTCC】
「SEAT(セアト)」はスペインの自動車メーカー。フォルクスワーゲンの傘下にあり、SEATが走らせる「レオンTDI」もフォルクスワーゲン・ゴルフをベースにしています。WTCCの中では唯一、ディーゼルターボエンジンを採用し、2008年、2009年と2年連続で年間チャンピオンを獲得しました。

2010年、セアトはワークスチームとしての活動を終了。プライベートチームにマシンを貸与する形でWTCCに参戦していますが、マシンのポテンシャルは非常に高く、プライベーターになった今もチャンピオンを狙えるマシンです。

速さを見せるシボレー・クルーズ

シボレー・クルーズ
【写真提供:WTCC】
2009年にWTCCにデビューし、熟成してきているのが「シボレー・クルーズ」。GMグループのセダンタイプの世界戦略車で、スズキとGMが共同開発した先代モデルとは大きく異なるクルマです。シボレーといってもブランド名がアメリカ車というだけで実際には韓国、中国などで生産されています。

2010年、開幕戦から安定した速さを見せているシボレー・クルーズ。今年もワークス体制を維持し、セアトからイヴァン・ミューラーを引き抜くなど体制を強化。ワークスマシン3台で大量ポイント獲得を毎レース狙い、その先のチャンピオンを目指します!

活動縮小のBMW、2人のドライバーで奮闘

BMW320si
【写真提供:WTCC】
WTCCがスタートした2005年から3年連続の王座に輝き、まさにWTCCの顔とも言える「BMW」。他レースへの転向、撤退も噂されていましたが、ワークス活動の規模を縮小し、2台体制での参戦となっています。

BMW320siの特徴は何といっても後輪駆動車であるということ。一発の速さではシボレー、セアトの後塵を拝するBMWですが、スタンディングスタートとなるRace2ではスタートダッシュの速さを活かし、今年もきっちりとチャンピオン争いに加わっています。

インディペンデントクラスのマシン

平均20台程度のマシンが出走する今年のWTCC。ワークス体制あるいは準ワークス体制を取るチーム以外の純プライベートチームに向けて(年間世界選手権ランキングとは別に)「ヨコハマ・インディペンデントトロフィー」というランキングが設けられています。
シボレー・ラセッティ
【写真提供:WTCC】
通称「インディペンデントクラス」にエントリーするのはBMW320Siやセアト・レオン、さらには2008年までシボレーワークスが使用したラセッティなどです。このクラスには各国のツーリングカー選手権の上位ランカーやベテランのドライバーが数多く集い、ワークスチーム入りを目指してしのぎを削っています。

VOLVO C30がイギリス、岡山に登場!

ボルボC30
【写真提供:WTCC】
今後、新しい車種の参戦も期待されています。今年はイギリス戦、日本戦(岡山国際サーキット)にVOLVOの個性派ハッチバック「C30」が登場します。

ツーリングカーレースファンには懐かしいVOLVOの参戦。ファンとしてはエステート(ステーションワゴン)タイプでの参戦を望みたいところですが、どうやら今年は2戦に参戦し、来年以降の本格参戦に向けた見極めを行うようです。新メーカーの参入でWTCCに新たな魅力が生まれそうです。


次のページではWTCCの軸になるツーリングカーの名選手をご紹介。また、今後のWTCCの展望についても解説します。
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