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ロータスが15年ぶりにF1へ復帰!(4ページ目)

あの「ロータス」がF1に復帰する。マレーシアのビジネスマン、トニー・フェルナンデスが率いる新生「ロータス」。過去の歴史を振り返りながら、新生「ロータス」の魅力にも迫っていく。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

F1チームのオーナーになるという夢を実現

ロータスT127
【写真提供:LOTUS Racing】
2010年2月12日、英国ロンドンで「ロータスF1レーシング」は2010年のマシン「ロータスT127」を発表した。マシンを見てみると、そこには「エア・アジア」のロゴは見当たらない。昨年まではウィリアムズに貼られていたロゴはドライバーのレーシングスーツにも見当たらず、サイドポンツーンにはフェルナンデスのグループである「Tune」グループのロゴが見られるのみである。そして、カラーリングは往年のロータスの英国ナショナルカラーをイメージさせるものになった。
ロータスT127
【写真提供:LOTUS Racing】
トニー・フェルナンデスのF1参戦の目的は「エア・アジア」の宣伝ではないことがよく分かる。もちろん自身の経営する「Tune」グループの周知、もっといえばビジネスマンとしての自分の存在を世界に知らしめることは目的のひとつだろう。

しかし、単に「ロータス」の名前を復活させただけではビジネスマンとしての名をあげることにはつながらない。それよりもまず、フェルナンデスは純粋に「F1のチームオーナー」になるという、子供の頃に誰しもが思い描いた夢を実現させたかったのではないだろうか。そして、彼は「ロータス」という「挑戦すること」の名に相応しいチームとしてのF1参戦を何より実現させたかったのではないだろうか。
へレスで開催されたテストで、ドライバーのヘイキ・コバライネンと共にマシンの走行データを見るトニー・フェルナンデス代表
【写真提供:LOTUS Racing】
彼はインタビューでも、「ロータス」というブランドの歴史と功績に敬意を払いながら、現在はマレーシア資本となっている「ロータス・カーズ」のブランド力向上にも寄与したいという思いを述べている。フェルナンデスの「ロータスF1レーシング」とプロトン傘下の「ロータス・カーズ」には直接的な関係がないものの、今シーズンのF1をロータスで戦うヤルノ・トゥルーリがロータス・エヴォーラ・ワンメイクレース用のマシンをテストドライブするなど、両社の関係は徐々に密接なものになりつつあるようだ。

そして、彼はマレーシアGPで英国のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのような旧型レーシングカーを集めたイベントを開催し、ロータスのスポーツカーオーナーたちにも集まってもらいたい、と以前に話していたことがある。こういった彼の思いからも、「ロータス」ブランドでのF1プロジェクトは単なる私欲のために実行するものではないことが分かる。

発表されたマシン「ロータスT127」の「127」という数字に着目して欲しい。94年に消滅した「チーム・ロータス」が95年用に準備していたマシンの名前が「ロータス112」であった。15年の月日を経てF1に復活する「ロータス」のマシンの名前は、「112」に15を足して「127」だ。
マレーシア人テストドライバーのファウジー
【写真提供:LOTUS Racing】

そう、フェルナンデスがやろうとしていることは、チャップマンと「ロータス」を取り巻く人々、そして世界中の「ロータス」ファンに捧げる、夢の続きなのだ。

【写真提供:LOTUS Racing】


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【関連リンク】
Lotus Racing(英語)


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