ロータスF1の新しい歴史が始まる!
2010年は4つのチームが新しくF1に参入してくる(参戦が危ぶまれているチームもあり、流動的だが・・・)。新規参戦チームは自動車メーカーが相次いで撤退してしまったF1に新しい楽しみをプラスしてくれそうだ。その中でもF1ファンから熱い視線を送られているのが「Lotus F1 Racing(Lotus F1 Team)」である。そう、あの「ロータス」がF1に帰ってくるのだ。
新生「ロータス」となるLotus F1 Racing 【写真提供:LOTUS Racing】 |
ドライバーは元トヨタのヤルノ・トゥルーリ(イタリア)、そして元マクラーレンのヘイキ・コバライネン(フィンランド)というF1優勝経験のあるトップドライバー2人を起用する。
「ロータス」と言っても、かつてF1に参戦した「チーム・ロータス」と中身は全く異なる、いわば新規チームである。現在も「エリーゼ」や「エヴォーラ」などのスポーツカーを製造する「ロータス・カーズ」とは直接の関係はなく、名称の使用を許可されたマレーシア国籍のチームである。新生「ロータス」は自動車メーカーのワークスチームではないが、今後プロモーション展開などでは「ロータス・カーズ」との協力関係も予想される、新しいパターンのチームといえる。
今回は「ロータス」のF1での歴史などを振り返りながら、新生「ロータス」のF1参戦について、その魅力を探っていこう。
ロータス、F1での長い歴史
最近の若いF1ファンにとっては「ロータス」という名前はあまり馴染みがないかもしれないが、「ロータス」はF1の歴史の中で「フェラーリ」と並んで今も燦然と輝き続けるビッグネームだ。英国人のコーリン・チャップマンが興した「ロータス」は1950年代からレースに参戦し、レース車両を製造、販売してきた。F1に初めて登場したのは今から50年以上前の1958年のこと。1960年のモナコGPで「ロータス18」がF1で初優勝を飾った。
1963年、イギリスGPで優勝したジム・クラークとコーリン・チャップマン。マシンはシーズン7勝をあげた名車「ロータス25」。 【写真提供:LOTUS Racing】 |
先のモノコックフレームの採用も代表的な例だが、コーリン・チャップマンは「ロータス」のF1マシンに次々と独創的なアイディアを導入させた。例えば、1970年の「ロータス72」ではボディ全体の空力効果を向上させるため、ノーズ先端にあったエンジン冷却用のラジエーターをマシンサイドへと移動させた。「ロータス72」による葉巻型フォーミュラカーとの決別は現在のフォーミュラカーの基本形を作り上げたといえる。
1972年、オーストリアGPで優勝を飾った「ロータス72」。エアロダイナミクスに優れた「ロータス72」は1970年から5年間使用され、3度のコンストラクターズ王者に輝いた。 【写真提供:LOTUS Racing】 |
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