MotoGP:マニュファクチャラーの時代は続く
F1と常に対比して見られるバイクレースの最高峰「MotoGP」はマニュファクチャラー(バイクメーカーチーム)がまだまだ元気である。今年は「カワサキ」が撤退し、プライベートチームの「ハヤテレーシング」という形で活動したが、この不況でもマニュファクチャラーの多くは「MotoGP」に留まった。来年も最高峰の「MotoGP」クラスには「ホンダ」「ヤマハ」「スズキ」「ドゥカティ」の4メーカーがファクトリーチーム(ワークスチーム)を出す他、サテライトチームにバイクを貸与し、全17台がレギュラー参戦する見込みである。
多くの観客が詰めかけたバレンシアGPを走るダニ・ペドロサ。 【写真提供:Bridgestone Motorsport】 |
また、ヨーロッパでのスポーツバイクの売上が降下しているとはいえ、バイクレース自体は非常に安定した高い人気をキープしていることもあげられる。さらに「MotoGP」はスポーツバイクが人気のアメリカでも年に2回開催していることもメーカーにとっての好材料になっている。一時期、世界の名だたるマニュファクチャラーがこぞって参戦したためF1と並んで見られた「MotoGP」だが、F1とはマーケットも参戦する意義も異なるため、F1とMotoGPの共通項はもはや最高峰というステータスだけで、完全なベツモノである。
MotoGP:日本での人気は上昇するか?
MotoGP日本グランプリのスタート(2009年) 【写真提供:MOBILITYLAND】 |
ところが、ここにきて日本での人気をほんの少し回復させるかもしれない好材料も出てきている。先にも報じたように「GP250」クラスで青山博一が加藤大治郎以来の世界チャンピオンに輝いて、来年は「MotoGP」クラスにステップアップすることが決まっている。青山の世界チャンピオン獲得は久しぶりに一般ニュースでも取り上げられ、鳩山首相からはお祝いのメッセージまで送られたりと話題になった。青山の「MotoGP」への昇格は日本の二輪レースが再び脚光を浴びる良いキッカケとなるはずで、来年春の「日本グランプリ(栃木県・ツインリンクもてぎで開催)」は今年以上に盛り上がると予想される。
「GP250」世界チャンピオンに輝き、「MotoGP」へと昇格する青山博一 【写真提供:本田技研工業】 |