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進化を続けるレーシングカートの世界(2ページ目)

数多くのF1ドライバーを輩出したレースとして知られる「ワールドカップカートレース」が鈴鹿・国際南コースをレポート。ワークスチームの参戦、F1ドライバーの息子の参戦など話題満載のレースになった。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

F1ドライバーの名前を冠したカートも登場!

ほとんどのF1ドライバーが幼少の頃からレーシングカートでレースをしていることは皆さんもよくご存じのことだろう。スピード感覚とレースの勘を鍛えるツールとして彼らもその重要性をよく理解しており、その楽しさをよく知っている。

そして、手軽に始められるレーシングカートはファンとコミュニケーションを図る最適のツールでもある。国内のトップドライバー、道上龍、高木虎之介、ロニー・クインタレリらはカートチームを結成しているし、F1ドライバーらに至っては自らのブランドのレーシングカートを販売している。

その代表的なものをいくつかご紹介しよう。
【FA KART】
FAとは05年、06年のF1ワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソのこと。FA KARTは日本の地方選手権でも人気のブランドで、2009年モデルは風洞実験で開発された新ボディワークを採用しているとのこと。

【LH】
日本初登場のルイス・ハミルトンのレーシングカート!ハミルトンのヘルメットを模したカラーリングに注目!どうやらハミルトンがカート時代に走っていたCRGのOEMモデル。これとほぼ同じ製品で元F1/CARTドライバーのアレックス・ザナルディのモデルもドライバーブランドカートとしてお馴染み。このLHモデルを駆ったドライバーのオリバー・ロウランド(英国)はマクラーレン、メルデデスの育成プログラムに参加しており、いずれF1関係のニュースでも名前を聞くことになるであろう17歳だ。
【写真提供:MOBILITYLAND】

この他にも今回のレースでは現在BMWザウバーF1のエースであるロバート・クビサのモデル「RK」も出走した。今後もこういったドライバーブランドのレーシングカートは登場してくる可能性がある。これからカートレースを始めようとしている人はお気に入りのドライバーブランドのカートでチャレンジしてみてはいかがだろうか?

KARTはイタリアの工芸品!KARTINGは立派なスポーツ

「F1への登竜門」という言葉が日本でもすっかり定着した「レーシングカート」だが、日本ではフォーミュラカーレースに出る前の育成カテゴリーというイメージが強い。

しかし、ヨーロッパにおいて「KARTING」は立派なスポーツとして認知されており、何もF1を目指すだけがカートに乗る意義ではない。ヨーロッパではカートメーカーの「ワークスチーム」の活動が盛んで、カートに乗るドライバーはもちろんのことカートを作る職人、カートをメンテナンスするメカニックもそれだけで生計を立てている”プロフェッショナル”なのである。
今大会ではヨーロッパを中心に数多くの外国人ドライバー、メカニックらが来日しレースを戦った。ワークスチームのピットには巨大なテントが立てられ、そこで外国人メカニック達が1分1秒を争う作業でレースマシンの組み立てと整備を行っていた。

レーシングカート製品の多くはイタリア製で、職人たちによる溶接技術などで精密な「工芸品」が作られている。今大会にもイタリアなどから数多くの「ワークスチーム」や「ジュニアチーム」が来日し、世界一の覇を競った。これだけ多くのワークスチームがわざわざ来日してレースに参加する、ということはすなわちレーシングカートのマーケットは我々が想像する以上に大きいという証拠だ。


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