F1/F1(フォーミュラ1)について

鈴鹿サーキットが2007年のF1開催を断念(2ページ目)

今年で20年目の節目を迎える鈴鹿のF1日本グランプリ。しかし、鈴鹿での開催は一旦今年で休止されることが発表された。来年、日本でF1が見れるのは富士スピードウェイだけということになる。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

高騰する参戦費用と開催権料

近代的な上海国際サーキット。モータースポーツ発展途上の国にこれだけ巨大な施設を作っても採算が取れないのは明白である。
2007年のF1暫定カレンダーには「ヨーロッパGP」も「サンマリノGP」も存在しない。暫定カレンダーは1ヶ国1開催の原則に基づき発表された形になり、大方の予想ではこれに1戦を加えた全18戦で開催される見通しだ。(2006年は全19戦開催)

レース数が減らされる理由としては、チームの参戦費用の高騰があげられる。日進月歩でマシンを開発し進化させているF1では自動車メーカーが威信をかけて巨額の資金を投入しレースを戦っている。そのためコストの高騰になかなか歯止めが利かないのが実状だ。

いくら自動車メーカーといえどもこれ以上のコストの高騰は望ましくない。開催グランプリを減らすことで渡航費も運送費もランニングコストもカットできる。

しかし、その一方で開催を希望する国は増え続けている。最近ではバーレーン、トルコ、中国といったアジア諸国でF1が開催されているが、いづれもモータースポーツ不毛の地と言ってもいいほどにレース文化が発展途上の国である。

これらの国々は世界に向けてのPR、観光客の誘致といった「国家プロジェクト」としてF1グランプリを誘致している。潤沢な資金で、言われるがままに最新鋭のサーキットを建造し、F1サイドに高額な開催権料を支払っていると言われている。つまりはF1を開催する費用も以前と比べ高騰しているということだ。

2007年は富士スピードウェイで日本グランプリを開催。

全面改修で最新鋭の施設へと生まれ変わった富士スピードウェイ。来年の秋には富士の裾野にF1の爆音が鳴り響く。
2007年の日本グランプリ開催地である
静岡県・富士スピードウェイはF1に参戦するトヨタ自動車の資本により、2005年に全面改修がなされ再オープンした。

トルコGP、中国GPなどの新グランプリサーキットと同じく、最新サーキットのほとんどを手がけるヘルマン・ティルケ氏によるデザインで、まさにF1開催を目指して作られたサーキットだ。最新の安全思想に基づいて設計されており、コースの外側はこれまでのようなグラベル(砂利)ゾーンではなく、コースアウトしてもそのままコースに戻ってこれるアスファルト路面になっている。

やはりどこをとっても最新のサーキットだ。マシンの規則を厳しく制限しても、日進月歩の開発競争であっという間にスピードアップしてしまうF1において、今や新設計のサーキットは不可欠なのかもしれない。

では、今後の鈴鹿F1開催はあり得るのだろうか??
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