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ドリフターズから学ぶエンタメ精神(2ページ目)

あなたは「ドリフト」というドライビングに対してどんな印象をお持ちですか?ドリフトに全くもって無知なガイドが鈴鹿で初開催されたプロドリフト選手権「D1グランプリ」をレポートします。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

ドリフターズ達が鈴鹿を逆走

ハチロク、180、GT-Rとお馴染みのドリフトマシンが多数登場するが、中にはサーキットでは珍しい車も。
さて、一見ボルボに見える上の車、一体何でしょう? 【ヒント : 街中では決して珍しい車ではありません】 
→答えは本文の中に登場。
D1 GRAND PRIX運営サイドがラブコールを送り続けた鈴鹿サーキットでの開催がようやく実現した。何度も開催が噂されたが、鈴鹿での開催が実現したということは、D1がいよいよモータースポーツ業界の中で認められ地位を確立しはじめている証拠と言える。

そんな鈴鹿で審査委員長の土屋氏らが選んだコースは、東コースのS字~逆バンク~ダンロップの最大で7.8%の登り勾配区間を逆走するコースだ。「ハッキリ言って、キケンです。 危険じゃないと面白くない」と土屋氏らしい語り口でコース紹介が行われたが、堕ちていくかのようなレイアウトはまさに峠そのものである。

鈴鹿はもちろん、関西初開催のD1には大いに注目が集まり、前売り券は完売という大盛況ぶりだった。また、エントリーも80台近くが集まり、お馴染みのFR車はもちろん、懐かしいスターレットや街のタクシーなどに使われるコンフォートなど、出場するだけで魅力的な珍車も多数出場した。

ロータリーエンジンを搭載するRX-8も出場。見事予選を通過した。
懐かしいソアラもドリフトの世界ではまだまだ現役!
珍車ランキングNo1はスターレット。昔乗っていた人も多いのでは?


お客さんを楽しませるスピリットは絶大!D1戦士たちから学ぶべきもの

開会式でファンに向けて挨拶する風間靖幸(昨年のチャンピオン)。大勢の観客を前にちょっと緊張気味だった。
早朝から鈴なりの大観衆がスタンドに詰めかけ、ドライバーのテンションは急上昇していった。

「カッコよく、魅せる走り」ができてこそ勝利を得られるのが、D1である。D1を戦うドライバー達はお客さんに魅せることにとても秀でている。競技中のパフォーマンスはもちろん、選手紹介の時も普通には終わらない。シャイな選手も頑張って、何らかのアクションを起こし、それに対して土屋氏らが絶妙のツッコミを入れていく。

会場全体で大いに盛り上がっていこうという精神は選手はもちろん主催者にも必要だ。僕もレースを盛り上げるアナウンサーとして学ぶべきことが多かった。
この楽しませる精神はレース界が学ぶべきところだろう。決して競技中もオチャラケているわけではない。楽しませる部分は恥を捨ててお客さんを笑わせ、いざ競技に入ったら、「どうだ、まいったか!」といわんばかりに超絶テクニックを披露する。

そう、彼らは本当のプロフェッショナルなのだ。選手達の姿勢には、「プロのドライバーならお客さんを楽しませられなければ。。。」という発起人である土屋圭市氏の精神が生きている。

D1は底辺拡大中。そして、世界に認められる競技に発展中

日本が産んだドリフト文化は世界から熱い注目を集めている。
盛り上がりを見せるD1だが、最近はD1を卒業しレース界へ転向する選手も多い。ジムカーナのチャンピオン山野哲也がレースでも成功しているのと同様、今後もレース界に活躍の場を見出せるドリフターが増えれば理想的である。

「峠の走り屋から自分の努力でレーシングドライバーへ」

そんな道筋を作り、D1選手の底辺拡大のため、昨年から公道走行が可能なナンバー付き車両による「D1ストリートリーガル」もスタートしている。

一方でD1 GRAND PRIX本体は世界進出を果たし、ロサンゼルス近郊のアーウィンデールスピードウェイでの開催(開幕戦と最終戦)をはじめ、今後世界各国のオーダーに応える形でドリフトの文化を広めようと発展中だ。

発起人であるドリキン土屋圭市氏。この人が持つパワーには感服だ。
またドリフトパフォーマンスを披露する『ハイスピード・パフォーマンス・チーム』の妙技も世界各国の自動車イベントからのオーダーが絶えないという。これはエビスサーキット支配人の熊久保信重選手を中心としたパフォーマンスチームで昨年はニスモフェスティバルで大観衆をドリフトのトリコにした。

「ドリフトでメシを食えるようにしてやりたい。」

そんな土屋氏をはじめとする関係者の夢が今、現実になっているのだ。

(写真提供 : 鈴鹿サーキット

<関連リンク>
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