世界耐久チャンピオン、北川圭一 刀を置く決意の8耐
8耐ウィークの金曜日に現役引退を発表した北川圭一。2年連続の世界耐久チャンピオン獲得をSUZUKI CASTROL TEAMのドミニク監督と誓った。 |
毎年、ホンダのワークスライダーが注目を集める中で、北川選手は打倒ワークスホンダの代表的な存在でした。北川選手は2003年の8耐で優勝まであと1歩のところでマシントラブルを抱え、悲願の優勝を逃しました。「何としてでも鈴鹿8耐で勝ちたい。」8耐優勝はここ数年の北川選手から最も多く発せられたキーワードであると思います。
普段は優しい表情を見せる北川選手。しかし、サーキットで戦う時の表情は別人にさえ思えるほどに戦闘モードだ。 |
「あー、終わった。」
ピットのチェアに座り、ヘルメットを脱いだ北川選手が発した第一声です。
「終わった」という言葉にはどんな意味があったのでしょうか?僕はこの北川選手の言葉を生で聞くことができた数少ない人間です。活字にすればただの一言ですが、自分の耳で聞いたこの一言は実に印象深いものでした。8耐を戦うツラさ、悔しさ、自分のパートを走り終えた安堵感、達成感。いくつもの思いが詰まった一言でした。この一言に北川選手の思いの大きさ、そして鈴鹿8耐というレースの大きさに改めて気づかされました。
鈴鹿8耐とは何か
疲労がピークに達した状態でライダー達が迎える夜間走行。毎年やってくる辛く苦しい時間だ。なぜにライダー達はこの瞬間を毎年迎えようとするのか? |
鈴鹿8耐とは一体何なのか?きっと、答えはいつまで経っても出すことができないような気がします。ライダー達にとってはどうでしょうか?夢と憧れから始まり、挑戦し、もがき、苦しみ、上がり、下がり、毎年何かを探していく。。その答えが探し出せるまできっとライダーもアクセルを開け続けるのでしょう。簡単に見つけ出せないから、彼らはいくつになっても涙を流し続けるのでしょう。僕自身も立場は違えど、答えを見出せる日が来るまで、鈴鹿8耐に足を運びたいと思います。