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参加者急増!ミニバイク耐久レース

今年で2回目となるNankai Mini-Moto4時間耐久ロードレースが鈴鹿サーキットで開催された。140台という凄まじい台数が一斉にスタートする究極の参加型レースをレポートする。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

ミニバイクの熱い夏

70台ずつ2回に分けてのルマン式スタート(写真提供:鈴鹿サーキット)
2日間でエントリー400台以上、ライダー1500人、メカニック&チームスタッフ5000人以上? 超メガトン級参加型ロードレース「Nankai Mini-Moto 4時間耐久ロードレース」が開催された。
140台のミニバイクが巨大なコースを疾走する。しかし、参加したライダーの大多数は無名の選手。しかし、この週末のヒーローは参加した自分達だ。チーム全員でレースを戦い、参加者全員が鈴鹿で夏の1日を楽しんだ! 

大きな盛り上がりを見せた2回目のNankai Mini-Moto4耐

日曜日のOPENクラスの決勝レースではプロ顔負けの激しいデッドヒートが見られた。
1周およそ6kmの鈴鹿サーキット国際レーシングコースを使って開催されるミニバイク耐久レース。1000ccのビッグバイクで走るのは無理だけど、これなら自分も出れそうだと考えている人は多いだろう。1km未満のショートサーキットでレースが開催されることが多いミニバイクレースを鈴鹿8耐の舞台に持ち込んだのは1年前のこと。
ミニバイク耐久の成功例としてはツインリンクもてぎの「DE耐(でたい)」が存在した。参加型レースを提唱し続けてきたツインリンクもてぎがメジャーな存在にした新しいレース文化である。西地域での開催を望む声が出る中、昨年初開催となったNankai Mini-Moto4耐は大量のエントリーを集め大成功に終わった。手探りの中ではあったが、今年の参加に向けて視察に訪れる人も多く、今年は更なる盛り上がりが期待されていた。

ふたを開けてみると、大雑把に計算して昨年の倍にもなるエントリー台数を集めることになり、今年はクラスを分けて2つの4時間耐久ロードレースが開催されることになった。土曜日に開催されたモタードタイプのマシンが中心になる市販車クラス(ST=ストック)、日曜日に開催されたOPENクラス(改造可能)共に決勝レース出場台数140台を大幅に上回る台数が集まった。
8耐同様にライトオンの夜間走行でゴールする。夕闇の中、チェッカーフラッグが振られる瞬間は8耐同様に感動的だ。
近年、バイクに乗る若者の数は減り続けており、それと共にロードレースの参加者も減少を続け、歯止めが利かない状態になっている。そんな中でこの盛り上がりである。ミニバイク耐久は低コストで参加が可能であり、会社やサークル、友人のグループ単位で一緒にレースを楽しむことができる。1回限りのレースであるが、鈴鹿8耐と同じコースを走り、同じルマン式スタートが採用され、同じ表彰台に登ることができる。8耐に強い憧れを持ったライダー達にとって、8耐の直前に8耐気分を味わうことができるのだ。完走できなければ悔しさは残るだろうが、楽しむ姿勢でいれば他では得られない満足感が得られる。まさに今のレース愛好者のニーズにピッタリなレースといえるだろう。

ユニークなチームが多数参戦。芸能人、親子、有名チームの監督も参戦

親子3代でOPENクラスに参戦したF.C.C TSRの藤井正和監督一家。
ミニバイクレースしかやったことがないチームから、プロのライダーに協力をお願いし本気モード満点のチームまで参加チームの顔ぶれは実にバラエティに富んでいます。今年も8耐の優勝を狙うTSR(テクニカルスポーツレーシング)の藤井正和監督は父親である璋美(てるよし)氏と12歳の息子、謙太君と3人でレースに参戦しました。決勝レースでは残念ながら良い結果は残せませんでしたが、最後のピットインの際、親子でおじいさんである璋美選手をコースに送り出す姿は実に感動的でした。

もてぎのDE耐にも積極的に参戦するチームイワキ。俳優の岩城滉一氏もライダーとして出場。見事クラス優勝を飾った。
バイク好きで知られ、かつては2輪、4輪の全日本級のレースに積極的に参戦した岩城滉一氏のチームイワキも参戦した。土曜日のST、日曜日のOPEN共に4時間耐久レース2本に参戦し、サーキットで大きな注目を集めました。観客が詰め掛けるレースではありませんが、あくまで仲間内のチームで趣味の延長上として、今後、芸能人チームの参戦も増えてくるでしょう。
また、2週間後に8耐を控えていますが、友人ライダーやスポンサー企業の誘いから「助っ人参戦」する8耐ライダーも多数いました。その他、普段はライダー達に厳しい指導もしている8耐チーム監督が集まったチーム、未来のロードレース界を担うティーンエージャーで固められたチームなど、話題がとにかくいっぱいのレースでした。

このレース、Nankai Mini-Moto 4時間耐久ロードレースには大きな可能性を感じます。来年はさらなる台数増加が見込まれ激戦が予想されますが、あくまで「楽しむ」という姿勢が維持されていけばどんどん成長を続けるのではないでしょうか?憧れのライダーや芸能人とも同じエントラント(参加者)として一緒にレースができる。最高の夏の思い出作りは一人の憧れの気持ちから始まっていきます。
来年あなたも出てみませんか?
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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