フォーミュラ・ニッポン第5戦の決勝レースは、7月6日にF・ニッポン初の2ヒートレースとして鈴鹿サーキットで開催され、リチャード・ライアンが初優勝を遂げた。ポイントリーダーの本山哲は、ライアンの背後に迫る2位で走行中のファイナルラップで無念のガス欠ストップ。第4戦もてぎに続いて、まさかのノーポイントに終わった。
今回のレースは5日に予選を行い、その結果で第1ヒートのグリッドを決定。第1ヒートの結果で第2ヒートのグリッドが決まり、第2ヒートの結果がそのままレース結果となる。この変則的なスタイルに天候の変化がアクセントをつけ、見ている側には面白いレースとなった。
予選でポールポジションを獲得したのは土屋武士。そして本山、ライアン、金石年弘、道上龍、脇阪寿一の順でグリッドについた。18周の第1ヒートはウェットコンディション。土屋がホールショットを決めて、ライアン、道上、本山が続いた。しかし土屋は思うようにペースが上がらず、5周目のスプーン2個目でライアンの逆転を許す。ライアンはそのままトップでチェッカーを受け、本山、トレルイエ、土屋、脇阪、道上の順となった。
25周の第2ヒートは一転してドライコンディションに。ライアンがトップを守り、トレルイエ、本山が続く。しかし本山は1周目のシケインで2位に上がると、ライアンの追撃に入った。トップ2台の差は最大4秒まで広がったが、中盤から本山がプッシュして2台の差は1秒に。いったん本山は様子を見ようと距離を置いたが、終盤に一気にスパートをかけてテールtoノーズの状態でファイナルラップに。しかしヘアピンの立ち上がりで本山が突然スローダウン。何とかチェッカーを受けようと頑張るが130Rの先でマシンはストップ。なんとガス欠だった。
ライアンはうれしいF・ニッポン初優勝で、2位がトレルイエ、3位が脇阪。今回は、天候の急激な変化もあったが、通常のピット作業が求められるレースに比べ、スプリントレース本来のバトルが楽しめるレースになった。
<写真提供:鈴鹿サーキット>