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鈴鹿1000kmはスープラが優勝

夏休み最後の週末に開催され“灼熱の耐久イベント”としてすっかり定着した感のある「インターナショナルポッカ1000km」レースも、今年で31回目の開催を迎えた。

執筆者:松田 秀士



今年はル・マン24時間やアメリカンル・マンシリーズ(ALMS)などでおなじみの、屋根のないプロトタイプの参加が認められ、今年のル・マン24時間で7位になったチーム郷のアウディR8が登場。なおもう参加を予定していたもう1台のプロト、BMW V12をベースに童夢でモディファイしたCG-V12は、テスト走行中に駆動系のトラブルを起こし、残念ながら参戦を取りやめている。また、今年は海外からのエントリーもなく、予選日朝の公開車検もなく少々さびしい状況となった。

ここ数年、スプリントレースのような激しいバトルを見せる全日本GT選手権(JGTC)GT500クラスには、ESSOカラーそのままの#6 TOYOTA SUPRA(脇阪寿一/飯田章/脇阪薫一)、#16無限NSX(道上龍/伊藤大輔/光貞秀俊)、イエローに塗られた#18 Regain童夢NSX(セバスチャン・フィリップ/リチャード・ライアン/金石勝智)、VQエンジンを搭載して初のロングランとなる#23 NISMO GT-R(影山正美/ミハエル・クルム/田中哲也)、#39 iDC大塚家具サードスープラ(ジェレミー・デュフォア/織戸学/谷口信輝)、そして#88ノマドディアブロGT1の計6台が参加した。

またJGTC GT300クラスにはポルシェを中心に#62 VEMACダンロップRD320など8台、スーパー耐久クラスにはスカイラインGT-Rやランエボなど9台、RSクラスには5台、OPENクラスにはポルシェを中心に6台の計35台が参加した。

この鈴鹿1000kmは例年猛暑の中行われるが、今年は予選前日の夕方から明け方まで雨が降り、お昼に行われる予選1回目の時点では気温は28℃と、例年になく涼しい。総合トップは1分52秒856というタイムをマークした#61 AUDI R8。GT500のトップは、1分58秒003の#6スープラで、#18 NSX、#16 NSX、#23 GT-R、#39スープラが続いた。午後は天気が崩れるという予報が出ていたこともあり、予選1回目にタイヤを使い切ったチームが多かったために、夕方に行われた予選2回目はタイムアップをした車両は少なかった。結果的に予選1回目の順位に大きな変動はなく、予選は終了した。

172周の決勝レースは、25日の13時すぎにスタートが切られた。気温は33℃と昨日に比べ暑い。ポールシッターの#61アウディ(荒)は、1周で2番手に4秒以上も引き離し、4周目には早くも周回遅れをつくる。19目にはトップと同一ラップは、#6スープラ(飯田)、#18 NSX(フィリップ)、#16 NSX(道上)、#23 NISMO GT-R(クルム)、#39iDC大塚家具SARDスープラ(デュフォア)とGT500の5台だけ。しかし序盤には#23 GT-Rと#16 NSXのテールtoノーズが展開されスタンドが沸いた。

最初のピット作業は27周目に#61アウディからスタート。#18 NSXはリヤタイヤのみ交換という作戦を取ったが、これが裏目に出て50周で再びピットインをすることになった。これで#61アウディ(加藤)、#6スープラ(薫一)、#16 NSX(伊藤)、#23 GT-R(田中)、#39スープラ(織戸)、#18 NSX(ライアン)の順に。

全車をラップ遅れにして快調に走っていた#61アウディは、58周で2回目のピットイン。ところがセルは回るものの再スタートが切れない。このまま車両はガレージに入れられ修復を試みるが、原因が分からずこのままリタイア(原因は電気系)となる。これで3スティント目のトップは#6スープラ(寿一)で、#18 NSX(金石)、#16 NSX(光貞)、#23GT-R(影山)、#39スープラ(谷口)の順に。

76周目のシケインでブレーキトラブルを抱えた#16 NSX(光貞)がオーバーランし、次の周のデグナーでもコースアウトを喫し、ピットインしてタイヤ交換。これで#23 GT-Rが3番手に。ところがこの#23 GT-R(クルム)も110周目にターボのトラブルで緊急ピットインしてリタイア。さらに129周目に#18 NSX(フィリップ)が白煙を噴いてコース脇にストップ。この排除作業のためにセーフティカーが導入された。同一周回の車両がリタイアし、#6スープラは2番手の#16 NSXに2周の差をつけて余裕のトップ走行。

18時10分、日没のために全車ライトオンとなり、サーキットは独特のムードに。やがてすっかり暗くなった19時15分、#6スープラが全車をラップ遅れにして、トップでチェッカーを受け優勝。脇阪兄弟はS耐では同じチームで参戦しているが、まだ同じ決勝レースで組んだことがなく、この初めて組むレースでうれしい優勝となり、恒例の花火の下、シャンパンファイトに興じていた。

脇阪寿一
「一昨年は僕が、去年は弟が、そして今年は兄弟そろって優勝できました。両親も来ていますしうれしいです。応援ありがとうございました」
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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